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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 小林 久高
タイトル 血液型性格判断の社会的機能――明快で不可解な「血液型」――
内容  私たちの身近にある血液型による性格判断。普段なにげなく使っている一方で、血液型による性格判断には賛否両論があり、現在でも様々な議論がなされている。この血液型性格判断が持つ社会的機能を探るのが本稿の目的である。本文では、血液型研究の歴史と日本へ広がった経緯、血液型性格判断の現状、ほかの占いと比較して見えてくる血液型性格判断の特徴、いまだに活発な肯定派・否定派の論争とそれが引き起こされる理由をまとめることで、血液型性格判断が持っている社会的機能を考察している。考察から見えてきた社会的機能は、人間関係における潤滑油の役割(顕在的順機能)、ステレオタイプから引き起こされる差別や偏見(顕在的逆機能)、性格を示すパターン(潜在的順機能)、平行線をたどる論争(潜在的逆機能)である。血液型性格判断をひとつの立場やひとつの場面から見るのではなく様々な角度から観察することで、単に「良い・悪い」と言い切れない血液型性格判断の特徴をとらえた。
講評  本年度の卒業論文は、文献をもとにした理論的研究、データの計量分析にもとづく論文、質的なデータ分析にもとづく論文と多様な方法を用いるものだった。 また、扱っている対象も、社会学の原点ともいうべき問題を解いた「宗教と科学」といったものから、現代的な問題を解く「就職活動の逆機能」といったものまでさまざまであった。
 提出された論文はすべて、かなりの水準を示すものであり、執筆者が真剣に問題に向きあい、何とかその問題の構造や原因を明らかにしようとしている姿が文脈からありありとうかがえた。教員としてそういった論文を読むことは楽しくもあり、勉強になったことも多い。すべての執筆者の努力を高く評価するとともに、感謝したいと思う。
キーワード1 血液型性格判断
キーワード2 ステレオタイプ
キーワード3 占い
キーワード4 統計学
キーワード5  
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