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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 小林 久高
タイトル 現代における成長の諸相――概念再考――
内容  現代において「成長」という言葉は多くの文脈で用いられている。しかし、実は今までその意味は明確にされてこなかったのではないだろうか。本稿では自由記述の分析から個人のレベルで感じられている成長感を出発点としてその意味について考察する。その結果、どんなとき自らが成長すると感じるかは人によって大きく異なっていることがわかった。特に、一般的にはあまり語られない静的かつ内面的な変化に比重を置くような成長感の存在を確認することができた。さらに記述を5つのパターン―「単純な増加」、「自発的行動」、「困難遭遇」、「自己省察」、「他者との関わり」に分類し、それらの相互の連関や属性との関係についてもみた。
また、大学生が進路を決定する際の要因として働く「成長」についても、就職活動についての学生の自由記述から分析した。そこから見てとれる自己肯定のための成長をそれの特徴や危険性とともに考察する。
講評  本年度の卒業論文は、文献をもとにした理論的研究、データの計量分析にもとづく論文、質的なデータ分析にもとづく論文と多様な方法を用いるものだった。 また、扱っている対象も、社会学の原点ともいうべき問題を解いた「宗教と科学」といったものから、現代的な問題を解く「就職活動の逆機能」といったものまでさまざまであった。
 提出された論文はすべて、かなりの水準を示すものであり、執筆者が真剣に問題に向きあい、何とかその問題の構造や原因を明らかにしようとしている姿が文脈からありありとうかがえた。教員としてそういった論文を読むことは楽しくもあり、勉強になったことも多い。すべての執筆者の努力を高く評価するとともに、感謝したいと思う。
キーワード1 成長
キーワード2 成長感
キーワード3 自由記述
キーワード4 自己肯定感
キーワード5  
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