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学科 社会学科
年度 2023
ゼミ名 鵜飼 孝造
タイトル アートの存在意義と可能性 ―ハンセン病療養所 大島のアートを事例に―
内容 近年、日本各地でアートプロジェクトが盛んに開催されるようになり、社会とアートの関係性についての議論が多くなされている。本稿では、鑑賞者/オーディエンスに焦点を当て、アートの存在意義と可能性について明らかにすべく、瀬戸内国際芸術祭の舞台のひとつである国立ハンセン病療養所大島青松園でのアートを事例に調査を行った。大島来島者へのアンケートを主とした本研究によって、「アートの存在意義と可能性」とは、アートを接点とした様々な他者との出会いを通じて、自己と社会との関わり方を見つめ直すことができる点にあると結論づけることができた。そして、ハンセン病患者の物語を再生し、人間の尊厳を顧みることができる大島のアートは、瀬戸内の島々と人々が紡いできた遺産を未来へ繋ぐという意味で、瀬戸内国際芸術祭のテーマである「海の復権」に大いに貢献しているといえる。アートから学んだ凄惨たる負の歴史を風化させないために、アートの価値を伝え続けることが最も重要であり、今後の課題となるだろう。
講評 瀬戸内海の大島における「ハンセン病」問題とアートプロジェクトのつながりを、鑑賞するだけでなくアンケート調査を実施して来島者の感想や考えを丹念に聞き出し分析しているところがこの論文の優れた点である。その結果、アートそのものよりも大島という空間と歴史を来島者の多くが知ったという点が逆にアートの意義を示していると再認識できた。
キーワード1 アート
キーワード2 瀬戸内国際芸術祭
キーワード3 大島
キーワード4 ハンセン病
キーワード5  
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