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学科 | 社会学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | シン・ポストライブハウス論―京都市のライブハウスと若手アーティストへの調査から― |
内容 | 本論文では、コロナ禍以後のライブハウスは従来の役割であるメジャー・インディーズの接点である社会的な空間としての役割を果たすのだろうかという問いについて論じている。その中で、ポストライブハウス論を主軸に置きながら、コロナ禍以後のライブハウスに求められる役割について考察した。 アコースティック専門のアコ箱への2年間にわたる参与観察、バンド専門のバンド箱2件へのインタビュー調査を行いライブハウスの現状を明らかにした上で、シンガーソングライター、バンドマンそれぞれ2名ずつにインタビューを行うことで若手アーティストの考えを分析した。 これからのライブハウスは以前のように音楽シーンをけん引する存在ではなく、コミュニティ形成のプラットフォームとして機能していくことがわかった。シン・ポストライブハウスの姿は、人々を音楽という共通項で繋げるプラットフォームだったのである。コロナ禍以後のライブハウスはメジャーへの架け橋として機能しながらも、新たな役割を担っていくのだろう。 |
講評 | 本論文は、コロナ禍を経て、危機に晒されている京都のライブカルチャーの行方を危惧する思いによって貫かれる。その記述は、ライブハウスで働いてきた筆者自身の経験を踏まえており、信頼性が高い。筆者は、京都のライブハウスの全体状況を俯瞰したうえで、いくつかの類型に分けられるライブハウス関係者や若手アーティストへのインタビュー調査を実施した。その結果を踏まえ、音楽シーンがインターネット等のライブハウス以外の活動場所が中心になっても、コミュニティ形成のプラットフォームとしてライブハウスの新たな役割が必要とされるとし、これを筆者は「シン・ポストライブハウス」と名付けた。都市に「集まる」文化と、インターネットも含めた「つながる」文化との共存を模索するライブハウス関係者の苦悩は、若者文化論の最前線の問題である。その苦悩に焦点を合わせて考えたい。 |
キーワード1 | ポストライブハウス論 |
キーワード2 | コミュニティ |
キーワード3 | メジャー・インディーズ |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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