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学科 | 社会学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 日本におけるメイドインチャイナの文化消費について ―中国語学習者のリアルな声から読み解く― |
内容 | 現在日本には中国製品が溢れ、私たちは日々の生活においてメイドインチャイナの無意識的消費をしている。しかし文化的側面においては交流が乏しい事実がある。 このような状況下で、メイドインチャイナを意識的に消費する中国語学習者7名にインタビューを行い、その消費の実態と意識について調査した。メイクやドラマ消費では、中国との関わりが浅いほど「メイドインチャイナ」を異文化として捉えた意識的消費を行い、関係が深いほど中国の媒体を介して日常的に消費を行っていることがわかった。また、関係が浅いほど中国に対して高いハードルを感じていることも明らかになった。しかし、SNSにおいては中国との関わりの深さに関係なく、全員が手軽にメイドインチャイナを消費していた。今後若者に身近なSNSというプラットフォーム上での日中交流が広がれば、いずれ日中間にトランスナショナルな関係が構築され、中国ブーム到来が実現する日が来るのかもしれない。 |
講評 | 本論文の筆者は、高校時代から中国大陸のサブカルチャーやエンタメに親しみ、中国語学習に積極的に取り組んできた。この立場を生かし、中国語学習歴が長い日本人の若者を調査対象とし、その文化消費の在り方を描写した。調査対象者は「中国にルーツがある層」「留学経験がある層」「渡中経験のない層」に分けられ、経験構造と消費の在り方の違いの関連が示唆される。現状、中国語学習者層が増加しても、中国製品の消費はコモディティばかりで、文化消費の広がりは限定的だという。だが、その一方、日本の若者が中国語のインターネットのプラットフォームに登録し、中国産の文化消費を楽しむという新しい現象も捉えられている。こうした動きが韓流ブームの如く広がるために何が必要なのか。これは日中の民間交流の行方を考えるうえで重要なテーマであり、分析的な視点を持って考えたい。 |
キーワード1 | トランスナショナルな関係 |
キーワード2 | 無意識的消費 |
キーワード3 | 意識的消費 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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