詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 京都出身大卒女性の地域移動 |
内容 | 現在も依然として東京一極集中の傾向があるが、地元に留まりたいという地元志向の流れも存在する。本稿では、大学生が進学と共に流入し、就職時には流出してしまう特徴を持った京都に焦点を当て、地元志向や地域移動について捉えている。就職時に京都から出ていかざるを得ない状況がある中、京都出身大卒女性たちは京都という地域を住む場所や働く場所としてどのように捉えているのだろうか。この問いを明らかにするために、京都出身の大卒女性11名にインタビュー調査を行った。その結果、京都は京都出身大卒女性たちにとって住みたい、住み続けたいと思える街であり、就職を機に外の地域へと出て行ったとしてもまた戻って来たいと思うことができる街であると言えることが分かった。暮らしたい地域像や東京に対する考え方から、ほど良い都会とほど良い田舎を併せ持った地域が彼女たちにとって住みやすい地域であり、この地域像に京都は当てはまっているのではないかと考えられた。住む場所としては地元志向が高いと言えた一方で、働く場所としては京都に対するこだわりはほとんど見られなかった。 |
講評 | 本論文は、京都都市圏を地元とする大卒女性のキャリア選択と地域選択の論理を読み解いた。地域移動に関する先行研究や統計を踏まえ、半構造化インタビュー調査のデータを(ひとりKJ法で)丁寧に分析し、多岐にわたる論点を当事者の語りで裏付けた。そこには①地方の高学歴女性の地域移動に関する論点、②「住みたい街」「学ぶ街」としての評価は高いが、「働く街」としては新卒の大卒者にとっては物足りないという京都の評価に関する論点とがある。筆者の示した論点は先行する地域移動に関する計量調査、またはローカルトラックに注目した質的調査の先行研究でも十分に検討されたとはいえず、興味深い。本論文では初職の就活過程における地域志向の変化に注目したが、セカンドキャリア選択にあたっては、ライフステージの変化や、就職後の地域経験の影響についても考える必要がある。 |
キーワード1 | 大卒女性 |
キーワード2 | 京都 |
キーワード3 | 地域選択 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |