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学科 社会福祉学科
年度 2010
ゼミ名 木原 活信
タイトル 「母性観」はいかにして形成されたか―母性をめぐる女性たちの苦悩の解消にむけて―
内容  現代日本では、児童虐待、母子心中等の母子をめぐる様々な問題が起きている。こうした問題が起こる背景には、現代ならではの育児の負担感に苦しむ多くの母親たちが存在するが、この母親たちの苦悩の要因の一つとして、「本能的に子どもを愛し育てることに適性を持つ」とする過剰な「母性観」の存在が指摘されている。この研究では、先行研究の知見を借りながら、近代以降の日本において時代や社会の要請にしたがって形成されてきた「母性観」の歴史と変遷や、そのような「母性観」が形成されてきた文化的な基盤、その理論的根拠として用いられた「科学」研究について検討した。その結果一般に、普遍的なものとして認識されている「母性」も実は様々に意味付けされ、歪んだ「母性観」が形成されてしまうことがあると分かった。我々は、子どもたちが健やかに成長していけるような社会にするために、今一度こうした歪んだ「母性観」を一度解体していかなければならない。
講評 学部学生には珍しいストイックな抽象的な思想的論考による作品であった。この重要な論理に臨んだことは評価できる。ただし、テーマが広大すぎて、膨大な先行研究を駆使してそれを凌駕するという点ではかなり不十分であった。今後、更に大学院で研究を続けていく予定であるので、その成果が待たれるところであり、更に論理が深化されることが大いに期待されるところである。急がば回れ。
キーワード1 母性
キーワード2 母性観
キーワード3 育児
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