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学科 社会学科
年度 2023
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 日本の大学生におけるMBTIの役割―自分を知り他者を知ることを楽しむ若者たち―
内容 本稿では、日本の大学生がMBTI をどのように利用しているかを明らかにするため、アンケート調査とインタビュー調査を行った。その結果、3つの方法で利用していることが分かった。第一に、誰もが参加しやすい話題として利用し、その用途は日本に古くから浸透する血液型の話題との類似性があった。第二に、自己分析のためのツールとして利用し、就職活動などの重要な局面で利用するケースもあった。第三に、他者理解のためのツールとして利用し、相手のMBTIを知ることで効率的に人間関係を構築していた。この3つは韓国におけるMBTIの機能と共通している一方で、韓国よりも日本の大学生の方がMBTIに関する知識が浅く、会話を楽しむ程度の層が最も多いことが分かった。また、日本の大学生たちが他者から MBTI に基づいて性格を判断されることに対して嫌 悪感を抱いていることが分かった。MBTIで人を判断する際の懸念点は個人の経験や価値観を無視してしまう可能性の高さである。私たちはMBTIの16タイプで全ての人間を網羅できない現実を認識し、情報を選別する必要がある。
講評 本論文は、ここ数年のあいだにあちこちで聞くようになった「MBTI」(16personalities)について、その内容の妥当性はさておき、それが日本においてどのように用いられているかについて実証したものである。韓国での流行に連動してMBTIが日本に入ってきたことをはじめ、話題づくりや自己分析、他者理解のツールとして用いられていることを解明したのは重要である。利用場面の多様性や機能についてさらに解明し、理論的に展開できたらと思う部分もあるが、韓国の先行研究も読み解きながら、2023年の大学生の実態に即した議論をしっかり論じた点は高く評価したい。
キーワード1 MBTI
キーワード2 自己分析
キーワード3 他者理解
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