詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 西宮浜総合公園・御前浜公園と指定管理者制度―「民間の活用」と「市民の活用」― |
内容 | 指定管理者制度は、行政が公共サービスへの民間の活力活用のために、民間企業に公の施設の管理業務を委託する制度である。この制度について、従来の社会学では市場原理導入や利用者の主体からの排除、住民の利用者からの排除などの文脈で批判がなされてきた。しかしすべての公の施設においてそのような問題が発生するわけではなく、その社会的背景や歴史的背景によってその施設のありようは異なるのではないだろうか。本論文では、西宮市に位置し2023年に指定管理者制度が導入された、西宮浜総合公園・御前浜公園について、その設置背景や現在の利用について検証した。西宮市の資料や利用者インタビュー、そして市職員へのインタビューの結果、当公園は利用者のニーズによって様々な施設が整備されていき、市の整備の前に市民団体による整備などが行われ、指定管理者制度導入後もその市民団体が主体的に公園の環境づくりを行い、民間企業に対して働きかける構図が生まれていた。ここから、民間の資本が入り続けている公の施設において、利用者が公共サービスを受けるためには主体的に働きかけを行うことが重要であると考えられる。 |
講評 | 公的な都市空間の管理への民間資本の参入は、公共性を囲い込んで私的利益をあげ、新たな疎外を生むとして、批判的に研究されてきた。本研究は兵庫県西宮市で指定管理者制度が導入された都市公園を事例として、やや異なる角度からこの問題に切り込んだものである。特に、西宮浜総合公園の一部が、高度経済成長期の住民の反対運動や、その後のバブル経済崩壊と阪神淡路大震災によって当初計画が頓挫した隙間の空間であり、そこに自転車愛好家たちがゲリラ的に整備した競技用自転車広場で、それをそのまま受け継いでいることなどを明らかにしたのは興味深い。手堅く研究を進めるのはよいが、慎重すぎて面白みを自らそぎ落としてしまったり、一向にコアとなるデータが集まらないなど心配したが、最終的にはまとまりのある論文になった。 |
キーワード1 | 指定管理者制度 |
キーワード2 | 都市計画 |
キーワード3 | 西宮浜 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |