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学科 社会学科
年度 2023
ゼミ名 森 千香子
タイトル 「化粧規範」への新たな向き合い方 ―女性大学生は本当に化粧を強要されているのか―
内容 日本では多くの女性が「化粧規範」の中で生きている。ある程度の年齢になった女性は化粧することが社会的なマナーである、そして化粧はしなくてはならないものとして社会に浸透、そして定着している。そのような化粧規範が近年では若年化され、今では女性大学生にも及んでいる。中高校生までの化粧行為は校則違反とみなされ、化粧行為自体が禁止になっていることが多い。しかし大学に進学した途端、化粧をするべきだと、社会的の圧力が存在する。女性にとってプレッシャーや強要としての「化粧規範」が存在することは、多くの研究で明らかになっている。本当に女子大学生は社会からの圧力だけで化粧を行っているのか?本当に化粧規範が女子大学生にとって化粧をしないといけないプレッシャーになっているだろうか。化粧は、彼女たち自身の自己肯定感を向上するポジティブな側面ももちあわせているのではないだろうか。本論文では女子大学生たちはどのように「化粧規範」の中で化粧と化粧する行為にどのように向き合っているかを調査し考察する。
講評 なぜ大学生は化粧をするのか、という一見、素朴かつ身近な問いを出発点にして「化粧規範」という概念を提示し、そうした規範のなかで化粧を義務と感じて化粧をしている実践があることを確認する一方で、そのような圧力とは別の次元で、自分を表現するための化粧の実践があることを、聞き取り調査を通して自分なりに描こうとした。歴史的視点をとり入れるなどして、現代社会における化粧のもつ意味を相対化することには一定程度成功した。その一方、聞き取り調査の内容には、対象との距離が近いことを生かした興味深い語りも部分的にみられたが、問いの設定をもう少し工夫すれば、自分自身が無意識のうちに内面化している「規範」をより批判的に検討することができたのではないかと思う。
キーワード1 女子大学生
キーワード2 化粧規範
キーワード3 同調
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