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学科 | 社会学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 「AI面接官」の出現は新卒採用市場にどのように影響するのか |
内容 | 現在は第3次人工知能ブーム後期であり、ChatGPTの誕生によりその勢いは加速している。その中で採用担当者の面接をAIが模倣した「AI面接官」に注目が集まっている。本稿では「AI面接官」の出現は新卒採用市場にどのように影響するのかという問いをたて、①採用市場の現状分析のため政府の資料分析およびキャリアセンター長へのインタビュー、②「AI面接官」開発企業2社へのインタビュー、③「AI面接官」導入企業による反応のテキスト分析を行った。先行研究と筆者の調査から新卒採用は不明確な採用基準をもとに行われるという特徴がわかった。そしてその不明瞭性をAIにデータ入力する際、開発企業は社会的炎上を起こさないよう倫理事項に十分考慮していることが明らかになった。また「AI面接官」を導入した企業は、採用担当者の負担減や受験者の規模拡大といった影響を受けていた。一方で透明性が完全に確保されていないことや、AIそのものに対する抵抗感が払拭できていないという課題が残っていた。しかし日本の深刻な問題「人口減少」解決への一助となる可能性を十分に秘めていると考えられる研究結果であった。 |
講評 | 本稿は、現代的なトピックスである人工知能(AI)の社会実装によって起こっている社会現象をまとめた先端的な研究である。著者は3年生の時から2年間、Global Partnership on AIという国際機関の日本調査のFoW(Future of Work)の学生メンバーとしてAIの社会実装に関する調査を行ってきており、卒論のテーマもAIの社会実装に関わるものを選んだ。本稿の調査では「AI面接官」によって、どのようなことがなされているのか、導入の背景にどのような理由があるのか、それによって経営者側が得られるメリット、デメリット、学生側の思いなどをまとめている。本稿の著者は自身も経験した「AI面接官」によって企業側がどのような判断をしているのか知りたいという探求心と2年間継続してきたAIの社会実装調査の成果として論文執筆に取り組んでいる。本テーマは、まだ一部の学生しか経験していない「AI面接官」の導入による事象を2023年に起こっている現象の記録として、タイムリーに描いた意欲作である。 |
キーワード1 | AI面接官 |
キーワード2 | 採用DX化 |
キーワード3 | 会話するAI |
キーワード4 | 新卒採用 |
キーワード5 | 採用担当者 |
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