詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 伝統産業における、AIによる技術継承 ー酒造業の人手不足と蔵人のやりがいー |
内容 | 伝統産業では、後継者不足が大きな課題であり、酒造業もその一例だ。こうした中で、酒造業でも、技術を継承し、産業を守り続けるために、AIを導入し始める企業がある。GPAIという組織の調査から、さまざまな業種でAIが導入され、AIと人間が共に働くようになってきていることが分かる。しかし、留意しておくべき点もある。そこで本論文では、2つの問いを立て、それを明らかにすることを目的とする。1つ目は、酒造業における技術継承において、AIがどのような役割を果たすかである。2つ目は、人間からAIへと技術を継承することに対して、酒造業に関わる人々どのような思いなのかである。これらを明らかにするために、杜氏、醸造をサポートするAIの開発者、AIの導入者の三者に調査をした。そこで、現在のAIは、蔵人を補助できるレベルにはないことが明らかになった。また、AI化が進むにあたって、技術を継承し、産業を残していく上で、職人のやりがいをどう残すのか、日本酒を作る過程でどこにこだわりを持つのかを考える必要があるということが理解できた。 |
講評 | 本稿は、現代的なトピックスである人工知能(AI)の社会実装によって起こっている社会現象をまとめた先端的な研究である。著者は3年生の時から2年間、Global Partnership on AIという国際機関の日本調査のFoW(Future of Work)の学生メンバーとしてAIの社会実装に関する調査を行ってきており、卒論のテーマもAIの社会実装に関わるものを選んだ。本稿は伝統産業とAIの関係に着目し、伝統産業の職人のこだわりとAIへの移行のポジティブな面とネガティブな面を描くことを試みている。本研究の対象は酒造業であり、対面での調査は伏見酒造業の蔵元、杜氏を訪れ、職人技のこだわり、酒造技術の難しさを聞き取っている。オンライン調査では遠方の酒造業でAIでの酒造りに挑戦する企業の蔵元、醸造機器製造企業の技術者が作るAIについて、どの部分を代替しようとしているのかについて聞き取っている。そして、それぞれの技術者の思いと後継者不足によるジレンマ、新しいことへの挑戦など多様なアクターの思いを描いている。 |
キーワード1 | 酒蔵 |
キーワード2 | AI化 |
キーワード3 | 後継者不足 |
キーワード4 | 技術継承 |
キーワード5 | |
戻 る |