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学科 社会学科
年度 2023
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 看護師の子育てと就業継続 ―看護師のキャリア・両立・葛藤―
内容  看護師は、夜勤をはじめとした変則的なシフト勤務や緊急性から、仕事と子育ての両立が難しく、結婚・妊娠・出産を機に離職する者は少なくない。そこで、育児をしながら就業継続している看護師に着目し、継続可能要因と継続理由、そしてキャリア観を明らかにすることで、離職を食い止める一助になると考えた。本論文では、看護師5名に半構造化インタビュー或いは紙面調査を実施した。調査を通して、保育施設・親族・職場サポートの充実といった社会関係資本が就業継続に影響していると分かった。また、それらのサポートが十分でない場合も、各支援を上手く調節していた。さらに、看護職に対して誇りを持ち、仕事を通して自己成長することで、母親や妻としての役割だけでなく、社会での自身の立場を明確化し満足感を得ていた。キャリアに関しては、子育てを理由に望んでいたキャリアが中断されたとしても、育児にそれ以上の価値があると捉えていた。看護職としてのやりがい、人間関係の構築といったポジティブな感情が就業継続に影響していると結論づける。
講評 本稿は看護師の就業継続の要因を探索したものである。看護師はその不規則な就業形態から、育児期、一旦、退職する者が少なくない。しかし、退職すると、医療技術の発達についていけなくなり、資格上は復職できても、実質的には復職しにくくなる。本研究では、そのような状況の中で育児期の多忙な時期と専門職として成長する時期に就業継続できた人々はどのような要素によってそれを成し遂げることができたかということを調査している。その結果、社会関係資本の有無が大きく影響しており、本人の成長欲求もさることながら、義父母が共働きの場合、就業継続がしやすく、義母が専業主婦モデルを肯定する家庭の場合、ジレンマを抱えながら、就業する必要があるなどが明らかになった。本稿では母親への強い規範、職場での理解の有無などの状況の違いがある中、周囲の支援の有無が就業継続に大きな影響を与えていることが描かれている。
キーワード1 看護師
キーワード2 キャリア
キーワード3 葛藤
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