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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 野村 裕美 |
タイトル | 「匿名での子の引き渡し」支援を日本で拡大することの意義と課題 |
内容 | 本論文では、妊娠葛藤相談や匿名出産、赤ちゃんポスト、内密出産の支援の概要について述べ、それらの支援が進んでいるドイツにおける内密出産の法制化の経緯を明記している。 慈恵病院で導入された内密出産や赤ちゃんポストを踏まえ、日本での現状と課題を取り上げ、匿名での子の引き渡し支援が拡がりつつあることを明らかにする。しかし子どもの出自の権利について、国から示された内密出産のガイドラインにおいて不完全な部分がある。そこで 母親の出自情報に関する議論や、支援機関の連携による手厚い体制整備の必要性を強調し、特別養子縁組支援を行う NPO 法人の役割についても触れている。 少子化の背景として、母子支援の乏しさ、子どもを育てる環境が整っていないことが挙げられる。社会が母子のニーズに寄り添い、政策や制度を進める必要性があると考える。 最後に匿名での子の引き渡し支援において、現場の声を行政に伝える重要性を論じ、新生児遺棄や殺害の減少には環境整備が不可欠と結論づけている。 |
講評 | 社会の中で少し下火となってしまった赤ちゃんポストが呈する課題から着手し、「匿名での子の引き渡し」支援についての日本的意義という大いなる課題にたどり着くことができたのは大きな成果だと思います。そもそも人間には誰しも出自を知る権利があることを海外の取り組みを交えながら論じ、母子のニーズへの充足が不十分な日本の現状を指摘することができました。日本でも母子医療に専門的に関わる医療ソーシャルワーカーとしてモデルとして支援活動にいまなお取り組む医療ソーシャルワーカーにインタビューを行い、政策レベルの整理にとどまらず、個に関わるソーシャルワーカーの問題意識や実感と照らし合わせて論じることができました。 |
キーワード1 | 赤ちゃんポスト |
キーワード2 | 内密出産 |
キーワード3 | 出自を知る権利 |
キーワード4 | 慈恵病院 |
キーワード5 | こうのとりのゆりかご |
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