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学科 | メディア学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 水出 幸輝 |
タイトル | バラエティ化する恋愛リアリティ番組 「脱出おひとり島」を事例に |
内容 | 本稿の目的は、韓国で制作されNetflixで2021年から配信された「脱出おひとり島」を対象に、ジャンルが恋愛リアリティではなくゲームバラエティであると示すことにある。 本作は「テラスハウス」や「バチェラー・ジャパン」などとはことなり、出演者の胸元にピンマイクが確認され、制作者の存在を常に視聴者に意識させていることを特徴として指摘できる。そこでまずは、韓国では恋愛リアリティでも文化や技術力の影響でピンマイクを許容する可能性を検討した。しかし、韓国や日本における同ジャンルの過去作品を分析し、韓国でも恋愛リアリティでのマイクの映り込みは不適当であることを明らかにした。次に、本作の内容分析を行ったところ、出演者の端正な外見と、身体ゲームで勝つために真剣に争う様子が強調されていた。このことから、出演者にとって重要なのはパートナー探しをすることではなく、ゲームに勝利して自分のプライドを守ることであると考察した。結果として、本作のジャンルは恋愛リアリティの要素を取り入れたゲームバラエティであり、そのためにピンマイクの存在は隠す必要がなかったと結論づけた。 |
講評 | 本稿は、Netflixで配信された韓国の恋愛リアリティ番組「脱出おひとり島」を題材として、現代のリアリティ番組のあり方について論じたものである。 一般的に、リアリティ番組に多くのスタッフが携わっていることは自明だが、そのことを隠蔽することによって、リアリティが増すように設計されている。これはオーディエンスが興ざめさせずに視聴を維持するための戦略だと考えられる。しかし、奇妙なことに「脱出おひとり島」は、ピンマイク(スタッフの存在)を隠そうとしない。本稿では、このような逆行する姿勢に注目し、同番組がリアリティ番組ではなくゲームバラエティとして成立している、という重要な指摘をしている。このことは、「脱出おひとり島」に限らず、現代の恋愛リアリティ番組がどのように視聴維持を試みているのかを考えるうえで、示唆に富むものであるといえる。 |
キーワード1 | 恋愛リアリティ |
キーワード2 | バラエティ |
キーワード3 | 脱出おひとり島 |
キーワード4 | オーディエンス |
キーワード5 | ピンマイク |
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