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学科 メディア学科
年度 2023
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル 『東京ガスCM ー家族の絆シリーズー』はなぜ感動するのか
内容 『東京ガスCMー家族の絆シリーズー』はなぜ感動するのか。筆者は、「感動」の定義・「物語」の展開方法・「優秀な」ストーリーCMの3つの先行研究をもとにCMを分析。さらに、実際に制作に携わった3名のプロフェッショナルにインタビューし、この謎を解き明かした。
分析を進める中で、感動する要素が順調に見えてきた中、3名の専門家たちから驚きの言葉が放たれた。「無理に感動させるために制作していない」。まさかの回答に筆者は驚愕した。
これらから筆者は熟考を重ね、最終的に本シリーズが感動する要素として、「日常的な事象に価値を見出してくれる」、「人が無意識に持つ文化的欲求を解消してくれている」、「あえてストーリーを綺麗に終わらせることなく、視聴者に考えさせる余白を作り、あたたかい余韻を残してくれている」ことを導き出した。この論文を見た貴方はきっと「家族の絆シリーズ」を視聴したくてたまらなくなるだろう。
講評 テレビが大好き、テレビ局に勤めたいという強い意志をもった筆者が、感動したCMを研究対象に選び、その感動のメカニズムを研究した。1つの会社のCMシリーズ中から2つを対象としたが、実施した研究は卒論のボリュームを大きく超え、多岐にわたっている。まず筆者は、3つの先行研究を読み解きここから、「感動をもたらす」フィルム(CMに限定しない)が備える特徴を、3つの応用定義としてまとめていく。まずひとつは、物語の内容に即した定義で、普段気が付かなかった大切なこと(それは永遠には続かない)にはっと気付くという流れである。ふたつめは、物語内に小さな幸せから大きな谷に至り、これを超える山がくるというドラマカーブが存在するという定義、三つめは、感動というよりもヒット番組論で、視聴者の無意識の文化的欲望を描き出すという考えである。
この「感動ストーリー」の定義づけだけでも、卒論として成立しうるドラマやCMの制作理論だが、本論はこれを用いて対象のCMを内容分析し、三つの定義が当てはまるのかを詳細に論じていった。そしてさらに驚いたことに、当該CMの企業と、制作者と代理店それぞれの担当者に直接申し入れてインタビューも実施し、このCMの実際の制作企図を聞き出している。
2年間ゼミ長として常に運営に気を配り、さくら節で皆を引っ張れってくれた筆者の、粗削りではあるけれど充実した、そして自身の近未来に充分に意味のある論文となったと思う。
キーワード1 ガス会社
キーワード2 ストーリーCM
キーワード3 家族の絆
キーワード4 感動
キーワード5 共感
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