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学科 | メディア学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | 韓国における映画ファンダムの文化的影響力についての研究 ―映画『THE FIRST SLAM DUNK』を研究対象に― |
内容 | 韓国の映画産業の現状について分析していく中で、筆者は現在の韓国の映画産業において最も重要になっているものが「ファンダム」の存在であると分析した。そこで、韓国にて2023年1月に公開され、6年ぶりに韓国の日本映画最高興行収入記録1位が更新されるなど、驚きの興行成績を収めた映画『THE FIRST SLAM DUNK』の興行には、ファンダムの影響が大きく働いていることが分かり、この事例は韓国の映画産業に新たな示唆点を提示したいと考えた。 したがって、この事例を研究のテーマとして映画ファンダムを研究することは、韓国における映画ファンダムの重要性の拡大を明らかにすることができると考え、ファンダムを対象として行ったアンケート調査と事例分析を行い、本ファンダム内で行われている活動についての分析結果を通じて、映画産業だけでなく、あらゆる産業においてその文化的影響力を拡大している映画ファンダムの位置づけと、今後の映画産業とファンダムのあるべき姿を提示している。 |
講評 | 早い時期からメディア学科で韓国のファンダム文化を研究したい、との思いを持っていた筆者が選んだテーマは、日本の漫画を原作に持つバスケットボールのアニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」の韓国での成功とファンダム文化の関係性の調査だった。筆者はファンダム文化を映画興行の成功要因の探求のために研究するのではなく、ファンダムがもたらす文化的社会的効果に意味を見いだし、調査したい。日本アニメスラムダンクが韓国でロングランを続けていること、これへ韓国におけるファンダムを今こそ見る必要があるのではないか、という問題意識でとりくんだ。SNSでのコミュニティ、二次創作の広がり、といった予見できた調査結果だけでなく、二次的受容活動(新たな活動)、応援上映会の開催、誕生会カフェや観客創造芸術といった多様な社会現象の調査へと広がっていった。筆者は卒論発表会で述べた導入が印象的だった。今韓国では、失敗したくないという怯えと共に小さくて些細なことだが確かな幸せ(確かな楽しさを期待している)が求められている、と。映画館での非日常、これを応援するファンダムという更なる非日常の韓国で盛り上りの真の理由はそこにあるかもしれない。 |
キーワード1 | 映画 |
キーワード2 | 韓国ファンダム |
キーワード3 | ファンダム文化 |
キーワード4 | 文化の盗用 |
キーワード5 | THE FIRST SLAM DUNK |
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