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学科 メディア学科
年度 2023
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル <アナと雪の女王1・2>を通じて見るディズニーイデオロギーの変化の様相
内容 本論文は、ディズニーがアニメを通じて構築してきたディズニーイデオロギーについて理解し、その変化の様相が<アナと雪の女王>1?2を通じてどのように表れているのかを考察する。先行研究を通じて既存のディズニーイデオロギーはブルジョア、白人、キリスト教徒(家庭中心)、男性中心の価値を追求し拡大、再生産してきたということが分かった。従来のディズニーイデオロギーでは西欧(白人、キリスト教)と資本、男性中心の支配コードを分離させて考えることができず、その影響がストーリー構成とキャラクターの設定でも見られた。しかし、時間が経つにつれてディズニーが追求する価値が徐々に変わってきたことも否定できない事実である。本文は<アナと雪の女王>の叙事的構造とキャラクターを分析することで、<アナと雪の女王>が既存ディズニーイデオロギーに逆らう新しい価値観の確立を成し遂げたことを証明する。
講評 ディズニーイデオロギーの分析をテーマに選んだ筆者は、当初『ズートピア』を分析対象としたいと考えていた。これがキムデボム(2016)によって詳細に研究されていることを発見し、教官とも相談の上変更した研究対象が『アナと雪の女王』である。筆者はこのように分析した。ブルジョアであり白人、キリスト教徒である男性中心の既存のディズニーイデオロギーに逆らう新しい価値観の確立が「アナ雪」である。従来のディズニーの白雪姫やシンデレラは問題を自分たちで解決しようとしない。能動的な女性像であるエルサには恋人がいないし、家庭中心ではない。王子ではない社会的地位の男性と王子で悪役というキャラクター、先住民をモデルにしている点、叙事(ストーリーライン)の構造の特徴、ストーリーの三幕構造など広く言及している。先行研究を韓国の学会誌(『韓国漫画アニメーション学会』『社会と哲学』『漫画アニメーション研究』など多く読み込み、その知見を用いた分析を行い、修士論文に匹敵する卒論となった。韓国でのアニメ研究の層の厚さは教官にとっても筆者から教えられた知見であった。筆者は卒論発表会をこのように閉めた。クリストフルとの恋人としてのアナとのつながりは姉妹の繋がりより薄い。家族はいつも正しいわけではない。私たちの民族がいつもただ良いわけではない。架け橋の意図がこの映画には詰まっていると。韓国から日本に留学してきた極めて聡明な筆者の強く深い言葉だった。
キーワード1 ディズニーイデオロギー
キーワード2 <アナと雪の女王>
キーワード3 ディズニー?プリンセス
キーワード4 ストーリー分析
キーワード5 キャラクター分析
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