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学科 メディア学科
年度 2023
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル GUCCIはなぜドラえもんにラブコールを送るのか ?ラグジュアリー ブランド×日本アニメの謎に迫る?
内容 本研究は、「なぜ世界的ラグジュアリーブランド『GUCCI』は日本の国民的アニメ『ドラえもん』をコラボ相手として選んだのだろうか」という疑問から始まった。先行研究とアンケート調査の結果から、本コラボの目的は、単に「コラボの成功」以外にあると予想し、本コラボを実現させた張本人であるクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレの奇想天外な取り組みについて調査・検討を行うことで、コラボの真の目的を解き明かすことができるのではないかと考えた。その結果、ミケーレは本コラボを通して、社会に深く根づいた「ラグジュアリーブランドの在り方」、ひいては「常識」そのものにメスを入れたかったのではないだろうか、という答えにたどり着いた。コラボが成功するための“手段”について述べられている論文が多い中で、本論文は、コラボそのものの“意義”に迫るという新たな切り口で研究することができた。この点で、新たな視点をもたらす研究になったと自負している。
講評 一見ブランド論と思われそうな研究テーマだが、筆者の興味は最初からそうではなかった。興味は、ブランドが創出する違和感の意味(意義)は、単なるマーケティング的な側面では収まらないのではないか、という点にあった。本論ではまず、従来のマーケティング理論に立脚すれば、確立されたラグジュアリーブランドと庶民的アニメがタッグを組むことは大きな矛盾であることをあきらかにしたうえで、ではなぜ、と進んでいく。『ドラえもん』を取り込んだグッチのデザイナーの来歴を詳細に調査し、『ドラえもん』以前の活動の破天荒さを拾い上げていく。彼は安物のイメージを造る、ストリートカルチャーで無断盗用したデザイナーとあえてコラボする、ジェンダーレス等既存スタイルを「ぶち壊す」、エレガントとは真逆な路線を突き進んできていた。それらはいずれも常識とは真逆の「違和感」が共通項だ。新たな常識の創出、その最終形が、イタリアの格式高いブランドが日本のお茶の間のドラえもんとのコラボだった。ファッションブランドがその知名度と影響力を駆使すれば、社会に対して何がどこまで出来るのか、を問う。ファッション文化論として際立つ卒論である。
キーワード1 GUCCI
キーワード2 ドラえもん
キーワード3 コラボレーション
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