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学科 メディア学科
年度 2023
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル ゲームによる新しい「つながり」の誕生とその社会背景
内容 本紙では、ゲームデザイナーが、最近のマルチゲーム、特に2人協力型マルチプレイゲームにおいて、アーキテクチャとして施そうとしている新しいつながりがどのようなものなのか、さらに、ゲームプレイを通してプレイヤーが感じるつながりの実態を考察する。
社会という大きな視点から見ると、ゲームデザイナーは、社会に蔓延する「孤独」によるつながりへの渇望に応える設計を試みている。同時に、ゲームの歴史という観点から見れば、個人化の流れに抗う新しい試みをしているとも言える。また、分析を通じて、2人協力型マルチプレイゲームは、プレイヤーに「無償の愛」や「一蓮托生」といった普遍的な感情、または繋がりを提供することが判明した。それらは、現在の社会において、新自由主義によって失われたものであり、人々は「孤独」から逃避するため、「アーキテクチャ」として機能する2人協力型マルチプレイゲームをプレイすると考える。
講評 今年度は多様なテーマからなる16の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.ポピュラーカルチャー(ファッション・音楽)2.テクノロジーと社会・文化変容(AI・アート・ゲーム・プラットフォーム)3.表象・イメージ(ジェンダー・人種・地方・国家・宇宙)4.消費社会・新自由主義(アイデンティティ・消費行動)。興味深いことに、最終の口頭試問において明らかとなったのは、ほとんどの論文が何らかの形で「変容」「つながり」「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその分析の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが独自のテーマに着目しながらも、上記のような共通の問題意識を共有することが出来たことは、ゼミ全体での議論を通じてそれぞれの研究が豊かになったからではなかろうか。今後の進路においても、この経験が各自の思考や表現の基盤となり、より幅広い視野で社会に貢献していく素地を築いたと信じている。コロナ禍での入学となり、様々な形の不安や不便があったにもかかわらず、その間蓄積してきた知識と経験を結集させ各論文を完成させた学生たちの努力と成長に心からの敬意を表します。
キーワード1 ゲーム
キーワード2 アーキテクチャ
キーワード3 新自由主義
キーワード4 つながり
キーワード5 孤独
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