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学科 メディア学科
年度 2023
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル 1990年代から2010年代までの日本人の桜観 ~「桜」がタイトルに含まれた曲の歌詞から紐解く~
内容 桜は日本の国華であり、日本の長い歴史の中で日本人に親しまれてきた。和歌や文学から日本人の桜観を読み取ることができることが、桜と日本人の強い結びつきを物語っている。
 本論文では、今に至る桜ソングの定型が完成したと考えられている1990年代から2010年代の「桜」がタイトルに含まれた曲の歌詞から、日本人の桜観を読み取っていく。第2章では、1990年代以前の日本人の桜観を和歌や文学、「桜」がタイトルに含まれた曲の歌詞から明らかにしている。第3章では、1990年代から2010年代の日本人の桜観を時代ごとに読み解き、1990年代以前の日本人の桜観と比較している。第4章では、明らかになった1990年代から2010年代までの日本人の桜観と社会的背景との結びつきを考察している。
 変化が激しく未来予測の出来ない時代において、桜は共通のシンボルとして現代のポピュラーミュージックの歌詞の中に再び持ち出され、人々の思いを繋ぐようになったと考えられる。
講評 今年度は多様なテーマからなる16の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.ポピュラーカルチャー(ファッション・音楽)2.テクノロジーと社会・文化変容(AI・アート・ゲーム・プラットフォーム)3.表象・イメージ(ジェンダー・人種・地方・国家・宇宙)4.消費社会・新自由主義(アイデンティティ・消費行動)。興味深いことに、最終の口頭試問において明らかとなったのは、ほとんどの論文が何らかの形で「変容」「つながり」「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその分析の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが独自のテーマに着目しながらも、上記のような共通の問題意識を共有することが出来たことは、ゼミ全体での議論を通じてそれぞれの研究が豊かになったからではなかろうか。今後の進路においても、この経験が各自の思考や表現の基盤となり、より幅広い視野で社会に貢献していく素地を築いたと信じている。コロナ禍での入学となり、様々な形の不安や不便があったにもかかわらず、その間蓄積してきた知識と経験を結集させ各論文を完成させた学生たちの努力と成長に心からの敬意を表します。
キーワード1 日本人の桜観
キーワード2 桜ソング
キーワード3 ポピュラーミュージック
キーワード4 歌詞分析
キーワード5 社会
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