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学科 メディア学科
年度 2023
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル プロスポーツに対する機械化の導入 ~審判形態の過渡期を迎える今、ストーリーは生まれているのか~
内容 本論文では、機械化の導入が進められつつある過渡期の今、プロスポーツの観戦体験にどのような変化をもたらしているのか明らかにしていく。
スポーツ観戦に不可欠な存在である「審判」は、プレイヤーだけに留まらず観客においても必要な存在であることが改めて分かった。その理由としては、観客がスポーツ観戦を楽しむ要素として「ストーリー」性が最も重要であり、審判の判定が多くの「ストーリー」を生み出すことが明らかになっているからである。競技性や試合結果だけでなく、審判の判定により作り上げられる「ストーリー」を人々は観戦を楽しむ要素として無意識的に捉えている。当初、機械化の導入により「ストーリー」性は減少していくと考えられていたが、近年では機械化の導入でしか生まれなかった「ストーリー」が実際あることを例を踏まえて論じた。今後もさらに、機械化の導入は進められていくことが考えられ、スポーツ審判の在り方も変化し続けるだろう。完全な機械化が進められるようになっても、観客が「ストーリー」性を感じられる在り方が不可欠である。
講評 今年度は多様なテーマからなる16の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.ポピュラーカルチャー(ファッション・音楽)2.テクノロジーと社会・文化変容(AI・アート・ゲーム・プラットフォーム)3.表象・イメージ(ジェンダー・人種・地方・国家・宇宙)4.消費社会・新自由主義(アイデンティティ・消費行動)。興味深いことに、最終の口頭試問において明らかとなったのは、ほとんどの論文が何らかの形で「変容」「つながり」「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその分析の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが独自のテーマに着目しながらも、上記のような共通の問題意識を共有することが出来たことは、ゼミ全体での議論を通じてそれぞれの研究が豊かになったからではなかろうか。今後の進路においても、この経験が各自の思考や表現の基盤となり、より幅広い視野で社会に貢献していく素地を築いたと信じている。コロナ禍での入学となり、様々な形の不安や不便があったにもかかわらず、その間蓄積してきた知識と経験を結集させ各論文を完成させた学生たちの努力と成長に心からの敬意を表します。
キーワード1 審判
キーワード2 スポーツ
キーワード3 ストーリー性
キーワード4 機械化
キーワード5 観戦体験
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