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学科 | メディア学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 勝野 宏史 |
タイトル | 地方移住と「楽園」イメージ ―地方は移住者にとっての「楽園」となり得るかー |
内容 | かつて楽園イメージが付随していた移住。時代によってその形態やイメージが変化する中、地方は移住者にとっての「楽園」となり得るのか。 明治期以降、ハワイ移住や集団就職による移住が行われた。その多くが労働を目的とし経済的な豊さを求めた。いずれも厳しい実態がありながら、広大な土地や金の卵等の言葉で夢や希望のイメージが付与された。 現代の移住は移住者の意思による主体的・積極的なものだ。表象分析を行ったテレビ番組『人生の楽園』では、自然や時間的・精神的余裕など都市社会に無いものを楽園要素として演出されていた。これが自治体など組織の意図と相まり移住や地方のイメージが提供されている。 移住者へのインタビューから、メディア情報に触れる機会が多い現代では無意識にメディアから得た情報でイメージが形成されると考察した。また個人の情報の取捨選択が可能となり、「まち」が個々人にとっての楽園となる「楽園」の個人化が進むだろう。 |
講評 | 今年度は多様なテーマからなる16の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.ポピュラーカルチャー(ファッション・音楽)2.テクノロジーと社会・文化変容(AI・アート・ゲーム・プラットフォーム)3.表象・イメージ(ジェンダー・人種・地方・国家・宇宙)4.消費社会・新自由主義(アイデンティティ・消費行動)。興味深いことに、最終の口頭試問において明らかとなったのは、ほとんどの論文が何らかの形で「変容」「つながり」「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその分析の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが独自のテーマに着目しながらも、上記のような共通の問題意識を共有することが出来たことは、ゼミ全体での議論を通じてそれぞれの研究が豊かになったからではなかろうか。今後の進路においても、この経験が各自の思考や表現の基盤となり、より幅広い視野で社会に貢献していく素地を築いたと信じている。コロナ禍での入学となり、様々な形の不安や不便があったにもかかわらず、その間蓄積してきた知識と経験を結集させ各論文を完成させた学生たちの努力と成長に心からの敬意を表します。 |
キーワード1 | 移住 |
キーワード2 | 楽園イメージ |
キーワード3 | Iターン |
キーワード4 | Uターン |
キーワード5 | 地方 |
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