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学科 産業関係学科
年度 2023
ゼミ名 上田 眞士
タイトル 学生の就職活動と企業の採用活動について
内容 本論文では、まず学生と企業のギャップを明らかにするために、データを分析した。ここでは各社が調査した様々なデータを使用した。
分析の結果、学生と企業の就職・採用活動においては、就職に対する考え方や企業選択の際に重視するポイント、就職・採用における情報など多くの面においてギャップが思いがけず、発生しているということが明らかになった。また、日本の就職・採用活動のシステム自体にも多数の問題点があった。具体的には、倫理憲章に示されている採用開始時期のルールを守れていないということによって、企業に格差が出てしまっているということや学生が複数の内定を獲得することによって、内定辞退が発生し、企業側にも学生側にも悪影響を及ぼしているということがあった。筆記試験においても様々な形での不正があり、学生に格差が出てしまっていた。
これらの問題点を解消できるような方法としてアメリカとドイツの採用方法を紹介した。アメリカ、ドイツ共に日本とは違い、実績や実力重視の傾向があり、日本の採用活動もそのような形式に変化していく必要があるだろう。
講評 皆さんの卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「WLBと柔軟な働き方」「障害者雇用など様々な雇用問題」「人事評価の公平性やHR管理の重要性,社内教育,DXによる組織沿革」「日本的雇用の危うさや新卒一括採用の問題点」「戦争体験と経営者」等々となっています。たしかに個々の論文を取り上げてみると,その内容に精粗や優劣もあったように思います。けれども,基本的にはゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労した研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを全体に向けた卒論作業を締め括る講評としたいと思います。
 まず,自らの選定したテーマに沿って,関連する先行文献をしっかり読んで欲しい。この点を第一に指摘をしておきたいと思います。研究主題に沿って,より多くの関連文献を渉猟している論文ほど,出来映えが良いと思われました。それによって,曖昧模糊としていた問題意識も鮮明化することになるし,課題の掘り下げも深まるからだと思います。具体的な現実を取り上げ,論じるに当たって「素手」で対象に取り組んではいけない。方法的な準備として,認識の枠組みをしっかり作って取り組むことが重要だと思います。昔,私が先生から教わったことを繰り返せば,高い建物を建てるためには,広い土台が必要になる。そのように考えて貰いたいと思います。
 また第二に現実の雇用社会の問題を論じる際には,マルクスの昔の有名な言葉をもじって言えば,肯定的な理解とともに否定的な理解も合わせ持って欲しい。要するに,批判的な研究であって欲しいということです。雇用社会の現実は,それが成立した「秩序」である以上,自らの存在の根拠をもっています。しかし,その現実をただ肯定するだけではつまらない。それがはらんだ無理や矛盾にも目を向けて欲しい。そういう要望です。やはり現実理解には,そのような複眼的な視点が必要だと思います。
 とはいえ,先人の言葉にもあるように「言うは易く,行うは難し」。評価の基準というよりも,現実理解に際した心がけだ思って下さい。
キーワード1 新卒採用
キーワード2 早期化
キーワード3 内定辞退
キーワード4 ジョブ型雇用
キーワード5  
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