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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | 家庭と労働における男女格差や男女差別 |
内容 | ジェンダーレス化が進む現代においても、男女格差は未だ根強く残っている。また、女性差別だけでなく男性差別についても近年問題視されるようになった。そこで、男性学、女性学両方を取り入れた視点から性別による格差や差別について考察し、今後の日本のあり方を考えていく。戦後日本では、性別役割社会が形成されており、男性は仕事で収入を得て家族を養うこと、女性は家事・子育てによってアイデンティティを獲得していた。それに比べて現代では共働きや男性の育児への意欲が向上し、プライベートや育児など家庭での時間を重視する傾向にある。男性の育児取得率を上げるには、ライフワークバランスを整えることが不可欠であるが、日本型雇用システムの特性上、長時間労働に陥りやすい傾向にある。この雇用システムにおいて、長時間労働が生じる原因としては無限定的な働き方や人事査定の存在があげられる。本編では、福祉国家であるスウェーデンと、ワークライフバランスを実現したドイツを日本の今後のモデルとし、日本型雇用システムの特性も踏まえ、今後どういった対策を取るべきか考察している。 |
講評 | 皆さんの卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「WLBと柔軟な働き方」「障害者雇用など様々な雇用問題」「人事評価の公平性やHR管理の重要性,社内教育,DXによる組織沿革」「日本的雇用の危うさや新卒一括採用の問題点」「戦争体験と経営者」等々となっています。たしかに個々の論文を取り上げてみると,その内容に精粗や優劣もあったように思います。けれども,基本的にはゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労した研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを全体に向けた卒論作業を締め括る講評としたいと思います。 まず,自らの選定したテーマに沿って,関連する先行文献をしっかり読んで欲しい。この点を第一に指摘をしておきたいと思います。研究主題に沿って,より多くの関連文献を渉猟している論文ほど,出来映えが良いと思われました。それによって,曖昧模糊としていた問題意識も鮮明化することになるし,課題の掘り下げも深まるからだと思います。具体的な現実を取り上げ,論じるに当たって「素手」で対象に取り組んではいけない。方法的な準備として,認識の枠組みをしっかり作って取り組むことが重要だと思います。昔,私が先生から教わったことを繰り返せば,高い建物を建てるためには,広い土台が必要になる。そのように考えて貰いたいと思います。 また第二に現実の雇用社会の問題を論じる際には,マルクスの昔の有名な言葉をもじって言えば,肯定的な理解とともに否定的な理解も合わせ持って欲しい。要するに,批判的な研究であって欲しいということです。雇用社会の現実は,それが成立した「秩序」である以上,自らの存在の根拠をもっています。しかし,その現実をただ肯定するだけではつまらない。それがはらんだ無理や矛盾にも目を向けて欲しい。そういう要望です。やはり現実理解には,そのような複眼的な視点が必要だと思います。 とはいえ,先人の言葉にもあるように「言うは易く,行うは難し」。評価の基準というよりも,現実理解に際した心がけだ思って下さい。 |
キーワード1 | ジェンダーレス |
キーワード2 | 男女格差 |
キーワード3 | 女性差別 |
キーワード4 | 男性差別 |
キーワード5 | |
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