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学科 産業関係学科
年度 2023
ゼミ名 上田 眞士
タイトル 労働時間を見直す柔軟な働き方を目指して―週休3日制の普及をきっかけに―
内容 本論文では、多様で柔軟な働き方の一考察として、週休3日制のあり方を模索する。
2020年の新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、人びとの生活に深刻な影響を与えたことで、働き方にも変化がみられた。企業がテレワークや時差出勤を導入したことで、政府の目指す働き方改革を加速させるきっかけになったと考える。このような多様な働き方の推奨の一つとして、週休3日制度の導入を推進する動きがある。企業だけでなく国家公務員の「週休3日」の取り組みも検討されているのは、人材確保の狙いもあると考える。
日本では長時間労働の是正にむけて、時間外労働の上限規制や有給休暇の取得義務などの制度化は行われているが、諸外国に比べ今もなお労働時間は長い。そこで「週休3日」という新たな変革が、労働時間を意識的に見直すきっかけとなり、労働生産性やワーク・ライフ・バランスの向上につながる効果が期待されるのではないだろうか。欧米では検討が進む「週休3日制」が、日本的雇用慣行の制度下でも同様に浸透するためには、何が必要かを論じる
講評 皆さんの卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「WLBと柔軟な働き方」「障害者雇用など様々な雇用問題」「人事評価の公平性やHR管理の重要性,社内教育,DXによる組織沿革」「日本的雇用の危うさや新卒一括採用の問題点」「戦争体験と経営者」等々となっています。たしかに個々の論文を取り上げてみると,その内容に精粗や優劣もあったように思います。けれども,基本的にはゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労した研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを全体に向けた卒論作業を締め括る講評としたいと思います。
 まず,自らの選定したテーマに沿って,関連する先行文献をしっかり読んで欲しい。この点を第一に指摘をしておきたいと思います。研究主題に沿って,より多くの関連文献を渉猟している論文ほど,出来映えが良いと思われました。それによって,曖昧模糊としていた問題意識も鮮明化することになるし,課題の掘り下げも深まるからだと思います。具体的な現実を取り上げ,論じるに当たって「素手」で対象に取り組んではいけない。方法的な準備として,認識の枠組みをしっかり作って取り組むことが重要だと思います。昔,私が先生から教わったことを繰り返せば,高い建物を建てるためには,広い土台が必要になる。そのように考えて貰いたいと思います。
 また第二に現実の雇用社会の問題を論じる際には,マルクスの昔の有名な言葉をもじって言えば,肯定的な理解とともに否定的な理解も合わせ持って欲しい。要するに,批判的な研究であって欲しいということです。雇用社会の現実は,それが成立した「秩序」である以上,自らの存在の根拠をもっています。しかし,その現実をただ肯定するだけではつまらない。それがはらんだ無理や矛盾にも目を向けて欲しい。そういう要望です。やはり現実理解には,そのような複眼的な視点が必要だと思います。
 とはいえ,先人の言葉にもあるように「言うは易く,行うは難し」。評価の基準というよりも,現実理解に際した心がけだ思って下さい。
キーワード1 労働時間
キーワード2 週休3日制
キーワード3 ワーク・ライフ・バランス
キーワード4 柔軟な働き方
キーワード5  
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