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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 支援者の負担を昇華するための障がい者理解 ―障害学と社会モデルの視点から― |
内容 | 本稿は、障がい者支援における支援者の負担を昇華するために、新たな障がい者理解を提案することを目的としている。障害学や社会モデルによって、障害の本質は、既存の社会システムによる抑圧から作り出されている障がい者にとって不利な状況である事がわかった。そこで、障がい者支援の現場である盲学校寄宿舎と放課後等デイサービスにてフィールドワークを行った。現場で得られた事例や気づきから、障がい者支援の難しさや独特の疲弊、知的障害者へのまなざしのねじれについて検討した。その上で本稿では、支援者の障がい者理解について以下を提案する。まず障害の社会モデルのように障がい者が抑圧されているという前提に立ち、当事者学のように障がい者のアライとしてその怒りに共鳴し、その上で障がい者をひとりの他者として受け止める。そして障がい者の自立を支援することを前提に、抑圧に立ち向かう姿を応援する立場として振る舞うことである。 |
講評 | 福祉と教育の交わる現場(盲学校寄宿舎、放課後デイサービス)での長期にわたるフィールドワークをもとに、現場における障害者理解のありようを模索する論文である。障がいの社会モデルが提唱されて久しいが、その理論が説得的であればあるほど、支援者たちはいわば理想と現実との間の板挟みにあう。筆者はこうした問題に向き合うため、支援者における障がい者理解を明らかにすることを課題に据えた。筆者自身の実践も含め支援者と利用者とのやり取りを描き出し、いずれも読みごたえのある事例となっている。中でも、利用者に対する支援者ごとの関わり方の差異に着目し、支援者としてのそれぞれのありようを明らかにした手法はユニークである。これにより、あるいは支援者自身でも自覚していないであろう支援者理解を浮き彫りにする可能性が開かれる。新たな障がい者理解の提案という大きな構想のもと執筆された分、その全貌を描き出すためには課題が残るが、現場で生まれた問題意識を理論へと接続させようとする重要な論稿である。 |
キーワード1 | 障がい者支援 |
キーワード2 | 障がい者理解 |
キーワード3 | 障害学 |
キーワード4 | 社会モデル |
キーワード5 | |
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