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学科 教育文化学科
年度 2023
ゼミ名 奥井 遼
タイトル 東近江大凧から見る伝統文化への市民参加のあり方
内容  本稿では、滋賀県東近江市の伝統文化の1つである「大凧」という文化の中で、特に成人式との関係に着目し、大凧が人々にとってどのようなものであり、どのような影響を与える存在であるのかについて明らかにした。調査の結果、大凧づくりは経験や勘がものを言い、東近江大凧保存会をはじめとした、現場で大凧文化に携わる人々と観客ではその印象にギャップが見られるということが明らかとなった。また、文化政策の観点より、東近江では成人式を含む様々な節目において、市全体として大凧文化に触れる機会を提供しているということが示唆され、それらを円滑に進めるための文化施設として世界凧博物館東近江大凧会館が機能しているということが示された。現在においては、近年の社会情勢やイメージを背景として、立場によって大凧文化に対してそれぞれの考え方が持たれており、東近江に住む人々にとっての大凧文化の存在意義の違いが示された。
講評 筆者の地元に根付く「大凧」文化の今日的な継承のあり方を、保存会の活動に対する参与観察や資料館・市役所での資料収集およびインタビューをもとに明らかにした。伝統文化の継承については全国的な課題であるが、本稿では、成人式という市の公式行事に結びつけるユニークな取り組みに着目した。保存会や資料館といった伝承に関わる人の熱意を描き出す一方で、若者の関心に低さというギャップを示唆した点も評価できる。事例が豊富であるだけに論点が散漫になる印象が拭えないのと、先行研究に対する貢献が十分に説明しきれていないという課題はあるものの、今日の伝統文化の継承の一つの現場の取り組みを描いた優れた報告書である。
キーワード1 伝統文化
キーワード2 成人式
キーワード3 文化政策
キーワード4 文化施設
キーワード5  
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