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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 博物館教育における学芸員と教師のねじれに関する一考察 |
内容 | 京都大学総合博物館が「子ども博物館」と呼ばれる取り組みを行っている。博物館が場所を提供し、学生が自らの研究を生かしたワークショップを一からつくり、地域の子どもたちに教育普及活動として還元する優れた取り組みである。しかし、日本は他の先進国に比べて博物館教育が遅れていると指摘され続けている。これまで、この原因に関する研究は十分に行われてこなかったが、筆者は京都大学総合博物館でフィールドワークを進める中で学芸員と教師の考え方の違いに原因があるのではないかと仮説を立てた。そこで、本稿では「子ども博物館」に参加する学生、学芸員へのインタビュー調査を行い、特に学芸員の視点から博物館教育における両者のねじれについて考察し、明らかにすることを目的とする。 |
講評 | 大学附属の博物館における子ども向けワークショップにおいて参与観察とインタビューを行い、博物館における教育普及活動と、学校教育における教育活動との一致するようでいて微妙にすれ違うそれぞれの教育活動の違いを丹念に明らかにした。専門的な知識を豊富に備えているがゆえに子ども向けに言葉選びに苦戦する大学院生の姿や、博物館を活かしきれていない現状に対する不完全燃焼感など、現場ならではの問題意識が明確に描き出されている。子ども相手に格闘する中でプログラムを構成する中で教育活動を行う姿は、学校教育における教師と重なるものもあり、また博物館を単に学校の教育課程の枠組みで見るのではない、より開かれた機会として活かすような可能性を探るなど、実践的にも広がりのある視点を提供している。専門教育や教師教育といった文脈での理論的な考察が行き届かない点は指摘できるが、実践的にも立ち遅れている現状において先駆的な研究としてまとまったといえよう。 |
キーワード1 | 博物館教育 |
キーワード2 | 博学連携 |
キーワード3 | 教育普及活動 |
キーワード4 | 学芸員 |
キーワード5 | 子ども博物館 |
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