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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 兒島 明 |
タイトル | 「国民性、文化」とアイデンティティの変化 ?海外経験者の事例から考える? |
内容 | 本稿では、「文化」「国民性」がアイデンティティの形成及び変化に与える影響について、複数の文化の特徴や国民性に触れてきた「帰国子女」による語りに注目して考察する。 帰国子女の対象者4名を選定し、対象者へのインタビュー及びアンケートを中心に調査を進めた。インタビュー及びアンケートでは、帰国子女の母国、海外中、帰国後、3つのフェーズにおける生活とアイデンティティについて知ることである。 これらの調査を踏まえ、①「異文化接触機会」は、根底にある自分自身のアイデンティティに加えて、人々の新たなアイデンティティを形成する。根底にある母国で形成されたアイデンティティに加わる形で、新たなアイデンティティが形成される。②日本人として国民性に囚われることなく、新たなアイデンティティを形成していく機会を持つことで、自身の成長と社会への貢献につながると考えられる。以上の結論に至った。 |
講評 | 本論文の問いは、長期にわたる海外在住経験はアイデンティティの形成や変化にどのように影響を及ぼすのかというものです。学齢期を海外で過ごした経験をもち、現在は大学生活を送る帰国子女4名に対してライフストーリー・インタビューを実施し、異文化接触の経験とそれが価値観やアイデンティティの形成に及ぼした影響について聞きとりました。インタビュー調査の結果は、異文化接触は一つのアイデンティティの「喪失」をもたらすのではないかとの著者の懸念を打ち消し、逆に、視野の拡大や柔軟性の獲得に結びつき、自身の成長や社会への貢献につながるようなアイデンティティ形成の機会となることを示唆するものでした。それは、「国民性に囚われることなく」他者と出会うことへの希望でもあります。 |
キーワード1 | 帰国子女 |
キーワード2 | アイデンティティ |
キーワード3 | 国民性 |
キーワード4 | 異文化接触 |
キーワード5 | |
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