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学科 メディア学科
年度 2023
ゼミ名 池田 謙一
タイトル 現代における文化消費の傾向とSNSの利用の関係
内容  趣味に関する社会学的な研究は、ピエール・ブルデューの研究(Bourdieu, 1979)を端緒として様々な試みがなされ、人々の文化的な消費という側面から社会の階層構造やその再生産のメカニズムの理解に貢献してきた。しかし現代では文化的消費のスタイルを階層構造に当てはめることは難しく、従来の伝統には固執せず幅広く雑食的に文化活動を行う人が増えている傾向にあるという。本稿ではこの傾向を確かめるために、人々の様々な文化活動への評価やテイスト、経験率を調査し、その行動様式や意識を形作る要因は何なのかを分析した結果、雑食的な消費を行う人が大多数とはならなかったが、年齢や年収といった、デモグラフィック要因が雑食化に与える効果が見られた。そして現代の趣味実践には欠かせないツールとなっている SNS の利用との関連についても分析した結果、SNS の利用が雑食的な消費に与える影響を確認できた。以上のように雑食的な文化消費の考察に意義のあるデータをいくつかは得られたが、質問項目や変数の設定などの調査設計にはまだまだ改善の余地がある。
講評 ブルデューの仮説である文化的な階層格差が何によって変容させられるか、についての実証として良い研究である。インターネットには「フラット革命」とも呼べる側面があるが、その一面がここでも浮かび上がってきている。逆に言えば、文化のエコーチェンバー化にはならないということか、より考察して行くに値する。
全体として、本年の卒論は類似したテーマでサブチームを組んで研究を進めるというよりは、一般のアンケート調査は共同で実施しても、個々の研究には独自色が強かった。一般のアンケート調査も相乗りの調査が二通りとなった。また分析の結果は必ずしも仮説通りとは行かないケースが多かったものの、データの解釈に独自の視点を用いることが出来たり、付加的なアンケート、実験、インタビュー、内容分析、比較文化的アンケートといった多様な手段で論文を多角的に書くことができており、メディア研究でこれまで知られていない知見が大量に生み出された。全体として良い評価とする。
キーワード1 文化の階層性
キーワード2 文化の雑食的消費
キーワード3 文化的寛容性
キーワード4 SNS
キーワード5  
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