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学科 | メディア学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 池田 謙一 |
タイトル | 多メディア時代におけるライブ・エンターテインメントの価値 ―人々はなぜライブに行くのか― |
内容 | 国内の音楽市場が縮小する一方、ライブ・エンターテインメント市場は右肩上がりに成長中で、特に2010年代の成長が顕著だ。インターネット上で音楽が手軽に楽しめるこの多メディア時代に、人々は何を求めてライブへ行くのか。調査の結果、ライブの“コミュニケーションツール化”が浮かび上がった。ライブシーンにはSNSとの組み合わせで楽しさに拍車がかかるように変化している部分があり、その傾向が顕著だったのはアイドルと音楽フェスティバルだ。急成長するこの2ジャンルでは、演者―観客間、観客―観客間のコミュニケーションが人々を惹き付けていると考えられ、それを後押しするのがX(Twitter)などのSNSだ。近年のライブは演者に「会いに行く」・かけがえのない時間を「シェアする」場としての機能を強めており、そこに価値を感じる観客は増えている。本論文ではインターネット普及前のライブ事情やファンコミュニティを振り返りながら2010年代のライブシーンの特徴を捉え、今日のライブに求められる価値の正体を明らかにする。 |
講評 | アンケート調査とコアなライブファンへのインタビューを通じて、近年のライブが持つ意味を明らかにした点が良い。ライブの「コミュニケーションツール化」という観点はこの数十年の変化を適切に言い表している。またそのツール化ゆえに、XなどのSNSの意義が大きく、YouTubeは貢献していないなど、オーディエンスのメディア利用の分化についても利用パターンのニュアンスがよく分かるようになった。 全体として、本年の卒論は類似したテーマでサブチームを組んで研究を進めるというよりは、一般のアンケート調査は共同で実施しても、個々の研究には独自色が強かった。一般のアンケート調査も相乗りの調査が二通りとなった。また分析の結果は必ずしも仮説通りとは行かないケースが多かったものの、データの解釈に独自の視点を用いることが出来たり、付加的なアンケート、実験、インタビュー、内容分析、比較文化的アンケートといった多様な手段で論文を多角的に書くことができており、メディア研究でこれまで知られていない知見が大量に生み出された。全体として良い評価とする。 |
キーワード1 | 音楽 |
キーワード2 | ライブ |
キーワード3 | インターネット |
キーワード4 | コミュニケーション |
キーワード5 | ファンダム |
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