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学科 教育文化学科
年度 2023
ゼミ名 中川 吉晴
タイトル 自己啓発書の社会学 ──事例分析からみる社会背景
内容  本論文は、戦後から今日にいたる自己啓発書の特質を調べ、現代人が何を求め、自己啓発書が何を提供しているのかを社会背景をふまえて論じたものである。第1章では、戦後から1990年代の自己啓発書の特質を、先行研究を参考にしながら論じた。第2章では、2000年以降のベストセラーとなった自己啓発書として『夢を叶えるゾウ』、『嫌われる勇気』を取り上げ、現代の自己啓発書の特質を明らかにした。現代の自己啓発書は、結果ではなく物事の過程を重視し、あらゆる問題に対してシンプルで実行しやすい万能薬を提示している点に特徴がある。第3章では、現代のベストセラー分析から、自己啓発書がどういった社会背景をもとに消費文化として発展しているのか考察した。自己啓発書の流行の背景にあるのは、人々の時間の加速化、自己責任論である。自己啓発書内で語られる幸福論は、自らが変革していくことで獲得するものであり、自己責任論と結びついている。
講評 本論文は日本における自己啓発書の流行の変遷を時代ごとに辿りながら、その背後にある社会意識を明らかにしているが、本論文ではとくに事例として個別の自己啓発書をとりあげ、その内容を詳しく吟味し、その背景となっている価値観や人生観を引き出していることが評価できる。
キーワード1 自己啓発書
キーワード2 自己責任論
キーワード3 時間の加速化
キーワード4 幸福論
キーワード5 消費文化
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