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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 中川 吉晴 |
タイトル | 愚行権の保障と全体の幸福 ──教育の視点から |
内容 | 本論文は、ジョン・スチュアート・ミルが『自由論』において提示した「他者危害原則」と、彼の功利主義思想をもとに愚行権の保障と、幸福の総計の増進を同時に可能にする方法について論じている。麻薬使用や自殺などの一見愚かに見える行為は、自分にしか害がなく、「他者危害原則」では認められるべきとされている。しかし功利主義的に考えると、行為による副次的な作用で他者の苦痛を増加させ、周りの人々や社会全体の幸福を低下させる可能性がある。愚行権を保障しつつ、できる限り幸福を増進させるには、それらの行為を人々自ら「やりたくない」と思わせる必要がある。したがって、愚行権の保障と幸福の総計の増進を同時に可能にするには、たとえ自分自身に害のある行為であっても行為自体は禁止せずに、行為の有害性を教育することで、行為への興味を低減させるのが望ましい。 |
講評 | 本論文は、ミルの『自由論』をもとに、愚行権の自由を保障するとともに、全体の幸福を増進させることの両立がいかにして可能となるのかを、ひとつの思考実験として考察したものである。それをとおして教育による働きかけの重要性が明らかにされており、重要な結論が導かれている。全体をとおして明晰な議論が展開されている。 |
キーワード1 | 自由 |
キーワード2 | 功利主義 |
キーワード3 | 他者危害原則 |
キーワード4 | ジョン・スチュアート・ミル |
キーワード5 | ベンサム |
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