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学科 メディア学科
年度 2010
ゼミ名 柴内 康文
タイトル 大学生の映像メディアへの関わり方と視聴に関する研究
内容  大学生のYouTubeとテレビの視聴傾向から、それぞれを利用目的別に分類し、比較、検証した。仮説は、映像メディアを好奇心・話題性目的で利用する者をタイプ①、興味・関心を満たす目的で利用する者をタイプ②とし、『仮説a:タイプ①はYouTube視聴は短いが、テレビ視聴が長い』、『仮説b:タイプ②はYouTube視聴は長いが、テレビ視聴が短い』の2つを設定した。調査は質問紙を用い、「情報に対する意識の尺度」の項目を因子分析で上の2タイプに分類し検証した。タイプ①・②間の「テレビ・YouTubeの平均視聴時間」の相違をt検定で分析したところ、どの項目間も有意な差が見られなかった。また、「大学生の生活実態とテレビ・YouTubeの視聴行動」との関連性を重回帰分析で検証したが、有意な差はほぼ見られなかった。分析の結果、大学生の大多数がタイプ①と②の混在型であることが分かった。また視聴時間にも差がなく、テレビとYouTubeの視聴時間の長短は関連性がないことが分かった。
講評  質疑を行いましたので、個別の講評は控えます。ここでは、質疑の意図について説明したいと思います。皆さんに自分の行ったことを手短に説明してもらった上で、わたしの感じた疑問についてうかがいました。そこではあまり手加減せず、皆さんを自説を持つ独立した主張者として扱ったつもりです。そのような経験もあまりなかったと思います。質問の中には、自分の扱った問題や手法が理解できているかを確かめるためにわざと行ったもの(的外れなものも含みます)や、おそらくはそこまでの深さで十分に考えて抜いてはこなかったものもあったと思います。懸命に自分なりの答えを出す中で、自分に何が明らかにでき、何がわからなかったのか、自説の限界は何かということに気づき、また向き合うことになったのではないでしょうか。
 実は、長期にわたる卒論執筆という作業そのものがそのようなものだったのではと思います。最後の質疑を通じて、それをもう一度明確にしたかったというのがこちらの狙いです。もちろん、皆さんの論理はまだ不明確で、それに取り組む手法も未熟で粗いものです。しかし、実証的に何かを主張することがいかに困難であるかということ、そして、それを通じて語ることに価値があるのだということは確実にわかったのではないでしょうか。その経験こそが、社会で活躍する上での基礎となると、大学教育に携わる人間としては思います。一人一人が得たものを大事にしてください。
キーワード1 大学生
キーワード2 テレビ
キーワード3 YouTube
キーワード4 映像メディア
キーワード5  
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