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学科 産業関係学科
年度 2010
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 日本の外国人労働者受け入れに関する対応
内容  現在日本の外国人人口の割合は1.71%である。まだ先進国諸国と比べて低い数値ではあるが、ここ数十年日本国内の外国人人口は増加傾向にある。外国人の増加は日本人の雇用問題につながり、また外国人労働者本人の雇用問題にも及ぶ。ブラジル人を代表とする日系人と中国人を筆頭とする非日系人とで就労に関して扱いが異なり、それぞれ短期滞在型と長期滞在型となる特徴がある。滞在型によって対応を変える必要があり、それぞれアメリカの短期労働者に対する対応とドイツの定住者問題への対応を参考にすることができる。日系人に関しては将来的に非日系人と同様の扱いがされるようになることを求め、その上で短期労働者に対しては特に産業分野や業種毎に受け入れ人数を制限する必要がある。また長期滞在者に対しては社会統合をスムーズに行うため、日本文化や日本語などに関する試験の受講を義務付け、一定の基準を超えた者のみ永住権の取得や帰化を許すとするのがよい。外国人本人の日本への同化努力を促すことで、日本での雇用や生活の安定やトラブル回避につながる。政府が外国人の受け入れや上限をコントロールすることで、日本人と外国人の双方でより良い暮らしが期待できるようになる。
講評  社会科学的テーマならばOKということで、私のゼミでは卒論のテーマは4回生が自由に決めている。もちろんすんなりとテーマが決まることはあまりなく、二転三転してテーマが決まる。そこが、これまでの与えられたテーマで書くレポートと卒論の違いであろう。今年ゼミ生が卒論に選んだテーマは、日本農業の自立、ワーキングプア、ワーク・ライフ・バランス、日本の外国人労働者問題、医療崩壊、新規大卒者の就職、中国の農民工問題、格差社会等である。今の日本が、世界が見事に反映している。人生のスタート台にたった人たちの目にはこんな風に見える社会を、私たち大人は作り上げてきたのだ。私の卒論テーマはパートタイマー労働問題であったが、このテーマ群をみて思わず私は、今自分が22歳であったならば、何をテーマに卒論を書くのであろうかと思った。このように今という時代をつかまえる若い人たちのアンテナは確かであると思う。
 今はインターネットの時代である。たいていのことはネットであら調べができる時代である。図書館での文献検索であっても、かつてなら1週間はかかることが1~2日でできる時代である。さすがにレポートを山のように書いてきた産関の学生である、データにはあたっている。しかし、そこから先は、毎年のことではあるが千差万別であった。データの原典にあたり、原典のデータを自分で加工している学生もいれば、重引きしたデータで間に合わせている学生もいる人間は間違う存在であり、他人が作ったデータである既存データは間違っている場合もあるのである。既存データを使用することの怖さを知っていてほしいと思う。
 そして、先に触れたように今はインターネット時代である。だからこそ単にデータが扱われているだけではダメで、データを読み込んで自分なりにどう解釈したのか、つまりはデータとどう格闘したのか、データについての思索こそが問われると思う。この点についても、やはりよく考えた者とそうでなかった者との差は大きかった。これからあなた達が出ていくところは実社会であって学校ではない。失敗は即ダメージにつながりかねない場所だ。より深く考えることこそが武器であることを知っていてほしい。
キーワード1 外国人労働者
キーワード2 出稼ぎ
キーワード3 日系人
キーワード4 定住者
キーワード5  
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