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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 三山 雅子 |
タイトル | ワーキングプアをなくすためには━みんながスタートラインにたてるように━ |
内容 | 1990年代以降、日本が格差社会であるということがいわれ始めた。日本の子供の貧困率を基に、現在の子供の貧困の現状をみた上で、そこから生じる不平等について述べていく。また他国との比較を通して、給付と負担のバランスを考え、日本の制度が子どもの貧困を対策するためにいかに不十分であるかを述べた。このようにして子どもの貧困について述べた後、子供の間に格差が生じているのは、大人の社会での格差が原因であることから、次は子どもだけでなく大人についても考えていく。大人の所得で生活している子供にとって、大人の所得や貧困は重大な問題である。そこで大人の貧困の中でも、働く貧困、ワーキングプアに注目をした。ワーキングプアは2006年7月にNHKで特集が組まれてから、現在にいたるまで日本でも定着しつつある言葉である。このワーキングプアとはいったい何なのか、その定義や原因、そして様々な所で論議されているワーキングプアは自己責任なのかという問いに私なりの見解を書いた。 さらに現在の日本の社会保障制度について調べ、今後どうすればワーキングプアがなくなるかについて考えを述べた。 |
講評 | 社会科学的テーマならばOKということで、私のゼミでは卒論のテーマは4回生が自由に決めている。もちろんすんなりとテーマが決まることはあまりなく、二転三転してテーマが決まる。そこが、これまでの与えられたテーマで書くレポートと卒論の違いであろう。今年ゼミ生が卒論に選んだテーマは、日本農業の自立、ワーキングプア、ワーク・ライフ・バランス、日本の外国人労働者問題、医療崩壊、新規大卒者の就職、中国の農民工問題、格差社会等である。今の日本が、世界が見事に反映している。人生のスタート台にたった人たちの目にはこんな風に見える社会を、私たち大人は作り上げてきたのだ。私の卒論テーマはパートタイマー労働問題であったが、このテーマ群をみて思わず私は、今自分が22歳であったならば、何をテーマに卒論を書くのであろうかと思った。このように今という時代をつかまえる若い人たちのアンテナは確かであると思う。 今はインターネットの時代である。たいていのことはネットであら調べができる時代である。図書館での文献検索であっても、かつてなら1週間はかかることが1~2日でできる時代である。さすがにレポートを山のように書いてきた産関の学生である、データにはあたっている。しかし、そこから先は、毎年のことではあるが千差万別であった。データの原典にあたり、原典のデータを自分で加工している学生もいれば、重引きしたデータで間に合わせている学生もいる人間は間違う存在であり、他人が作ったデータである既存データは間違っている場合もあるのである。既存データを使用することの怖さを知っていてほしいと思う。 そして、先に触れたように今はインターネット時代である。だからこそ単にデータが扱われているだけではダメで、データを読み込んで自分なりにどう解釈したのか、つまりはデータとどう格闘したのか、データについての思索こそが問われると思う。この点についても、やはりよく考えた者とそうでなかった者との差は大きかった。これからあなた達が出ていくところは実社会であって学校ではない。失敗は即ダメージにつながりかねない場所だ。より深く考えることこそが武器であることを知っていてほしい。 |
キーワード1 | 子供の貧困 |
キーワード2 | ワーキングプア |
キーワード3 | 社会保障制度 |
キーワード4 | 最低賃金 |
キーワード5 | 生活保護 |
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