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学科 産業関係学科
年度 2010
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 働きすぎと経営管理
内容  今回私は「労務管理」をベースに「経営管理」について深める。第一章では、3種類のデータを用いている。図1では20数年の間にどのように労働時間が変遷してきたかを諸外国と比較することで検証し、図2では年間休日数を見て、こちらも諸外国と比較している。図3では、一人あたりの平均年間総実労働時間を図1よりも詳細に見ている。第二章からは、3種類の文献を中心に日本の労働時間の現状を把握する。4種類の造語によって働きすぎのタイプを分け、働きすぎにも様々な種類があることを示している。第三章では、第二章をふまえて、何故働きすぎという事象が起こってしまうのかを考える。前述の4種類の造語を再度使用し、別の視点から働きすぎに着目する。そして、3種類のうち2種類の文献の諸説を比較し、図示することによってさらにわかりやすく働きすぎについて言及し、第三章のまとめとポイントを簡単な表にして示している。第四章では、アルバイト先である洋菓子販売店を例に挙げ、実際に正規社員として働く店長と従業員2人の働く上での意識の違いにスポットをあて、どの要素から働きすぎを抽出できるかを見ている。結果的に、「強制された自発性」を引き起こし、自分自身を追い込む状況があるということに辿りつく。つまり、働きすぎは単に上からの強制だけではないということである。このことを踏まえて、終章では考察を加え、働き方を吟味している。
講評  社会科学的テーマならばOKということで、私のゼミでは卒論のテーマは4回生が自由に決めている。もちろんすんなりとテーマが決まることはあまりなく、二転三転してテーマが決まる。そこが、これまでの与えられたテーマで書くレポートと卒論の違いであろう。今年ゼミ生が卒論に選んだテーマは、日本農業の自立、ワーキングプア、ワーク・ライフ・バランス、日本の外国人労働者問題、医療崩壊、新規大卒者の就職、中国の農民工問題、格差社会等である。今の日本が、世界が見事に反映している。人生のスタート台にたった人たちの目にはこんな風に見える社会を、私たち大人は作り上げてきたのだ。私の卒論テーマはパートタイマー労働問題であったが、このテーマ群をみて思わず私は、今自分が22歳であったならば、何をテーマに卒論を書くのであろうかと思った。このように今という時代をつかまえる若い人たちのアンテナは確かであると思う。
 今はインターネットの時代である。たいていのことはネットであら調べができる時代である。図書館での文献検索であっても、かつてなら1週間はかかることが1~2日でできる時代である。さすがにレポートを山のように書いてきた産関の学生である、データにはあたっている。しかし、そこから先は、毎年のことではあるが千差万別であった。データの原典にあたり、原典のデータを自分で加工している学生もいれば、重引きしたデータで間に合わせている学生もいる人間は間違う存在であり、他人が作ったデータである既存データは間違っている場合もあるのである。既存データを使用することの怖さを知っていてほしいと思う。
 そして、先に触れたように今はインターネット時代である。だからこそ単にデータが扱われているだけではダメで、データを読み込んで自分なりにどう解釈したのか、つまりはデータとどう格闘したのか、データについての思索こそが問われると思う。この点についても、やはりよく考えた者とそうでなかった者との差は大きかった。これからあなた達が出ていくところは実社会であって学校ではない。失敗は即ダメージにつながりかねない場所だ。より深く考えることこそが武器であることを知っていてほしい。
キーワード1 働きすぎ
キーワード2 労働の二極化
キーワード3 強制された自発性
キーワード4  
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