詳細
学科 産業関係学科
年度 2010
ゼミ名 三山 雅子
タイトル ワーク・ライフ・バランスで労働時間削減を―日本と欧州との労働比較の視点から―
内容  本稿は、長時間労働を日本社会における深刻な問題ととらえ、その影響と、長時間労働
削減の意義についてまとめたものである。日本の労働時間は最近では減少してきたように見られるが、依然として恒常的に残業が行われているのが実態であり、長時間労働は続いていると言える。日本では少子高齢化などを背景として、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)のとれた社会の実現が重要な政策課題になっているが、こうした長時間労働は個人にとっては健康を脅かしたり、家庭にとっても子育てや出産を困難にする要因となることから、人々の仕事と生活の調和を乱しているといえる。政府は「ワーク・ライフ・バランス憲章」「仕事と生活の調和推進のための行動指針」において労働時間の削減にむけた具体的な数値目標を掲げた。日本の社会を活力があり持続可能なものにしていくために、労働時間の削減は重要な課題だということができる。日本よりも先進的である欧州でのワーク・ライフ・バランス政策は、労働時間削減以外にも様々な制度が整えられており、これらを紹介する。これからの日本は労働時間の削減によってワーク・ライフ・バランスが実現された社会となることが望まれる。
講評  社会科学的テーマならばOKということで、私のゼミでは卒論のテーマは4回生が自由に決めている。もちろんすんなりとテーマが決まることはあまりなく、二転三転してテーマが決まる。そこが、これまでの与えられたテーマで書くレポートと卒論の違いであろう。今年ゼミ生が卒論に選んだテーマは、日本農業の自立、ワーキングプア、ワーク・ライフ・バランス、日本の外国人労働者問題、医療崩壊、新規大卒者の就職、中国の農民工問題、格差社会等である。今の日本が、世界が見事に反映している。人生のスタート台にたった人たちの目にはこんな風に見える社会を、私たち大人は作り上げてきたのだ。私の卒論テーマはパートタイマー労働問題であったが、このテーマ群をみて思わず私は、今自分が22歳であったならば、何をテーマに卒論を書くのであろうかと思った。このように今という時代をつかまえる若い人たちのアンテナは確かであると思う。
 今はインターネットの時代である。たいていのことはネットであら調べができる時代である。図書館での文献検索であっても、かつてなら1週間はかかることが1~2日でできる時代である。さすがにレポートを山のように書いてきた産関の学生である、データにはあたっている。しかし、そこから先は、毎年のことではあるが千差万別であった。データの原典にあたり、原典のデータを自分で加工している学生もいれば、重引きしたデータで間に合わせている学生もいる人間は間違う存在であり、他人が作ったデータである既存データは間違っている場合もあるのである。既存データを使用することの怖さを知っていてほしいと思う。
 そして、先に触れたように今はインターネット時代である。だからこそ単にデータが扱われているだけではダメで、データを読み込んで自分なりにどう解釈したのか、つまりはデータとどう格闘したのか、データについての思索こそが問われると思う。この点についても、やはりよく考えた者とそうでなかった者との差は大きかった。これからあなた達が出ていくところは実社会であって学校ではない。失敗は即ダメージにつながりかねない場所だ。より深く考えることこそが武器であることを知っていてほしい。
キーワード1 長時間労働
キーワード2 過労死
キーワード3 ワーク・ライフ・バランス
キーワード4  
キーワード5  
戻 る
Copyright (C) Doshisha University All Rights Reserved.