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学科 産業関係学科
年度 2010
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 外食産業とワークライフバランス
内容  外食企業は客のニーズの多様化に応える形で、営業時間を延ばし、価格を下げてきた。こうした長時間営業、コスト削減の中で、実際に外食産業で働く労働者が如何にしてワークライフバランスをとればよいかを調べた。
 序章では外食産業全体の事業所数、労働者数、市場規模など、産業全体の実態について調べている。第一章では具体的に、日本マクドナルド、すかいらーく等、大手の外食産業の営業時間を調べるとともに、実際に起きた過労死の問題、名ばかり管理職に代表される賃金未払い問題などの事例を紹介し、外食産業におけるワークライフバランスの問題を提起している。第二章では、ワークライフバランスの必要性について考えるとともに、ワークライフバランスの実現に向けて、外食企業はどのようにすればよいのかを、他産業(㈱ユニクロや百貨店の㈱伊勢丹など)の取り組みを調べることで考察し、欠けている点や参考になる点を調べた。第三章・終章では、前章までの結果を踏まえた上で、外食産業におけるワークライフバランスの実現が、何故困難なのかという根本的な原因について考え、企業の責任について考察している。

講評  社会科学的テーマならばOKということで、私のゼミでは卒論のテーマは4回生が自由に決めている。もちろんすんなりとテーマが決まることはあまりなく、二転三転してテーマが決まる。そこが、これまでの与えられたテーマで書くレポートと卒論の違いであろう。今年ゼミ生が卒論に選んだテーマは、日本農業の自立、ワーキングプア、ワーク・ライフ・バランス、日本の外国人労働者問題、医療崩壊、新規大卒者の就職、中国の農民工問題、格差社会等である。今の日本が、世界が見事に反映している。人生のスタート台にたった人たちの目にはこんな風に見える社会を、私たち大人は作り上げてきたのだ。私の卒論テーマはパートタイマー労働問題であったが、このテーマ群をみて思わず私は、今自分が22歳であったならば、何をテーマに卒論を書くのであろうかと思った。このように今という時代をつかまえる若い人たちのアンテナは確かであると思う。
 今はインターネットの時代である。たいていのことはネットであら調べができる時代である。図書館での文献検索であっても、かつてなら1週間はかかることが1~2日でできる時代である。さすがにレポートを山のように書いてきた産関の学生である、データにはあたっている。しかし、そこから先は、毎年のことではあるが千差万別であった。データの原典にあたり、原典のデータを自分で加工している学生もいれば、重引きしたデータで間に合わせている学生もいる人間は間違う存在であり、他人が作ったデータである既存データは間違っている場合もあるのである。既存データを使用することの怖さを知っていてほしいと思う。
 そして、先に触れたように今はインターネット時代である。だからこそ単にデータが扱われているだけではダメで、データを読み込んで自分なりにどう解釈したのか、つまりはデータとどう格闘したのか、データについての思索こそが問われると思う。この点についても、やはりよく考えた者とそうでなかった者との差は大きかった。これからあなた達が出ていくところは実社会であって学校ではない。失敗は即ダメージにつながりかねない場所だ。より深く考えることこそが武器であることを知っていてほしい。
キーワード1 外食産業
キーワード2 長時間労働
キーワード3 ワークライフバランス
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