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学科 産業関係学科
年度 2010
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 変わる雇用システムと不安定雇用
内容  日本経済は、不景気に喘いでいる。企業の倒産、リストラ、新卒採用率の低下、生活していて聞こえてくるニュースは、暗いものが多い。実際日本では、非正規労働者の雇用が突然打ち切られる事態が起こっている。正規労働者も例外ではない。リストラにあうこともある。そして、一番問題なのは、労働者が一度正規雇用のレールから外れてしまえば、正規雇用につくことができにくい社会システムになっていることだ。今一度、日本は、「雇用」と「セーフティーネット」について深く考えなければならない時といえるだろう。
 国として、ただその雇用問題の現状を黙認しているのかといえば、そうでなない。様々な政策を議論、実施しているが、的を射たようなものもあれば、的外れなものもある。そして、その政策を批判する国民自身も、そもそも根本的な問題をわかっていない人が少なくないし、それがわからなければ当然、本当に有効な手段は何なのかもわからないだろう。
 雇用問題について、一体何が問題になっているのか、その問題にどのように対応する事が必要なのかを非正規労働者の状況と日本の雇用システムの現状を分析し、再チャレンジできる社会実現に向けて提言する。
講評  社会科学的テーマならばOKということで、私のゼミでは卒論のテーマは4回生が自由に決めている。もちろんすんなりとテーマが決まることはあまりなく、二転三転してテーマが決まる。そこが、これまでの与えられたテーマで書くレポートと卒論の違いであろう。今年ゼミ生が卒論に選んだテーマは、日本農業の自立、ワーキングプア、ワーク・ライフ・バランス、日本の外国人労働者問題、医療崩壊、新規大卒者の就職、中国の農民工問題、格差社会等である。今の日本が、世界が見事に反映している。人生のスタート台にたった人たちの目にはこんな風に見える社会を、私たち大人は作り上げてきたのだ。私の卒論テーマはパートタイマー労働問題であったが、このテーマ群をみて思わず私は、今自分が22歳であったならば、何をテーマに卒論を書くのであろうかと思った。このように今という時代をつかまえる若い人たちのアンテナは確かであると思う。
 今はインターネットの時代である。たいていのことはネットであら調べができる時代である。図書館での文献検索であっても、かつてなら1週間はかかることが1~2日でできる時代である。さすがにレポートを山のように書いてきた産関の学生である、データにはあたっている。しかし、そこから先は、毎年のことではあるが千差万別であった。データの原典にあたり、原典のデータを自分で加工している学生もいれば、重引きしたデータで間に合わせている学生もいる人間は間違う存在であり、他人が作ったデータである既存データは間違っている場合もあるのである。既存データを使用することの怖さを知っていてほしいと思う。
 そして、先に触れたように今はインターネット時代である。だからこそ単にデータが扱われているだけではダメで、データを読み込んで自分なりにどう解釈したのか、つまりはデータとどう格闘したのか、データについての思索こそが問われると思う。この点についても、やはりよく考えた者とそうでなかった者との差は大きかった。これからあなた達が出ていくところは実社会であって学校ではない。失敗は即ダメージにつながりかねない場所だ。より深く考えることこそが武器であることを知っていてほしい。
キーワード1 フリーター
キーワード2 再チャレンジ
キーワード3 セーフティネット
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