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学科 産業関係学科
年度 2010
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 所得格差問題は解決できるのか
内容  概要:近年格差がメディアでも取り上げられて、問題になっている。しかし「格差社会」は何故問題視されるのか。成功するものは努力をする。失敗するものは努力が足りない。頑張ればなんとかなる、というような「がんばり神話」の時代の考え方がこうさせるのであろう。確かに、一昔前ならば、格差拡大の要因は努力の有無による部分もあった。しかし、現代は違う。近年、急速に格差は個人の努力では埋めがたいものになった。どうすれば格差を埋めることができるのか?
 国際比較から日本の格差の現状を確認して、日本の問題点を浮き彫りにしていく。そして、格差を縮小するために国家レベルの大きいことだけではなく、地方自治体や民間企業、また個人レベルで格差に対して意識を持つこと、その上で格差を縮小する為に新たな制度を制定していくこと等対策を講じていく必要があることが分かった。
 所得格差が教育格差を生み、教育格差が学力格差を生み、また学力格差が所得格差を生み出す。このような負の無限ループが起こってしまう希望もない世の中にしてはいけない。
講評  社会科学的テーマならばOKということで、私のゼミでは卒論のテーマは4回生が自由に決めている。もちろんすんなりとテーマが決まることはあまりなく、二転三転してテーマが決まる。そこが、これまでの与えられたテーマで書くレポートと卒論の違いであろう。今年ゼミ生が卒論に選んだテーマは、日本農業の自立、ワーキングプア、ワーク・ライフ・バランス、日本の外国人労働者問題、医療崩壊、新規大卒者の就職、中国の農民工問題、格差社会等である。今の日本が、世界が見事に反映している。人生のスタート台にたった人たちの目にはこんな風に見える社会を、私たち大人は作り上げてきたのだ。私の卒論テーマはパートタイマー労働問題であったが、このテーマ群をみて思わず私は、今自分が22歳であったならば、何をテーマに卒論を書くのであろうかと思った。このように今という時代をつかまえる若い人たちのアンテナは確かであると思う。
 今はインターネットの時代である。たいていのことはネットであら調べができる時代である。図書館での文献検索であっても、かつてなら1週間はかかることが1~2日でできる時代である。さすがにレポートを山のように書いてきた産関の学生である、データにはあたっている。しかし、そこから先は、毎年のことではあるが千差万別であった。データの原典にあたり、原典のデータを自分で加工している学生もいれば、重引きしたデータで間に合わせている学生もいる人間は間違う存在であり、他人が作ったデータである既存データは間違っている場合もあるのである。既存データを使用することの怖さを知っていてほしいと思う。
 そして、先に触れたように今はインターネット時代である。だからこそ単にデータが扱われているだけではダメで、データを読み込んで自分なりにどう解釈したのか、つまりはデータとどう格闘したのか、データについての思索こそが問われると思う。この点についても、やはりよく考えた者とそうでなかった者との差は大きかった。これからあなた達が出ていくところは実社会であって学校ではない。失敗は即ダメージにつながりかねない場所だ。より深く考えることこそが武器であることを知っていてほしい。
キーワード1 格差社会
キーワード2 教育格差
キーワード3 負の無限ループ
キーワード4 格差意識
キーワード5  
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