詳細 | |
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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 石田 光男 |
タイトル | 先生と私 |
内容 | 石田先生はどのような研究をしているのだろうか。私は卒業までに石田先生の研究内容について知り、石田先生とはどのような人物なのか理解したい、との思いから、石田先生が執筆された本を読み、卒業論文を書き進めることにした。 まず、石田先生が労使関係を分析するうえで、着目していることは、ルールである。労使関係論には、様々なルールが存在するけれども、その中でも「集中的表現」である賃金と仕事のルールを解明しなければ、労使関係を分析することはできない。 なぜ石田先生がルールにこだわるのかを知るために、ルールに着目して見た石田先生とルール以外の視点から見た稲上先生を比較してみると、同じ年代のイギリスについて記述していても、その描き方が全く異なっている。 石田先生の研究目的は、社会の善し悪しを判断することではなく、その社会を「わかる」ということである。ルールに着目することが、石田先生の研究目的であるただその社会をわかることにつながるのである。 |
講評 | 卒業論文は一人一人の言葉の正しい意味での自己紹介だと思う。「わたしはこういう人間です」「これ以上でもこれ以下でもありません、私という人間は」ということをどうしても表現することになってしまうのが言葉の本性だからである。言葉遣いの現在の到達点、それが各人の卒業論文である。 印象に残る良き作品について若干の言及をしたい。「先生と私」は卒論テーマが定まらずに困った末に、ゼミの先生の研究をきちんと理解しようとした、素直で学生らしいよい卒論である。それも研究方法、研究態度を追いかけているのが優れている。私が何故、政策的指南を行わないのかをよく理解しようとし、その上で、にもかかわらず、私の研究は「生き方を指南している」という結論は鋭い。「教員組合のあるべき姿」は、わからないことを当事者にあたって調べるという産業関係論の実証的精神をよく体現した力作である。その心構えがよい。「感情と経験を言葉にする」は、西部氏の『人間論』をしっかり自分なりに読み込む努力が、通常の学生にない真摯さに貫かれていて私のような年配者に「もっと議論してください」と訴えているようで、誠に好感のもてる作品である。「グローバル社会で生き抜くための人材戦略」は私が唱える日本の伝統的人的資源管理の美点への「惑溺」的欠陥を若い世代の視点から覆そうとする、切迫感がすばらしい。心のこもった作品である。 また、最も嬉しかった作品は「日本の人事・賃金制度の歴史」である。何事にも無関心で無気力な同君が「私はこんなに変わりました」ということを喜びに満ちて表現しているからだ。教育をしていてめったに出会えなかった喜びだ。私が励ましを得た貴重な作品である。 偽りのない自分の到達点としての卒業論文を直視して、そこから自らの研鑽を積み上げていって欲しい。 |
キーワード1 | 石田先生 |
キーワード2 | ルール |
キーワード3 | 賃金 |
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