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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 石田 光男 |
タイトル | グローバル社会で生き抜くための人材戦略―サムスンに学ぶ― |
内容 | ある日突然こんなニュースが耳に飛び込んできた。「年間の営業利益は、サムスン1社で、ソニーやパナソニックなど日本企業8社を合わせた額を抜いて…」 正直、信じることができなかった。ソニーやパナソニックと言ったら日本人が世界に誇る大企業である。当時、サムスンという企業は、知っていた程度で日本企業の足元にも及ばない二流企業だと軽視していた。しかし、サムスンを調べれば調べるほど、なぜたった10年ほどで世界的企業になることができたのか見えてきた。「S級人材」という世界規模の人材獲得や「地域専門家」たちの世界的活躍など、日本企業とはけた外れな規模で改革を進めていたのである。 それと同時に「日本企業は今まさに窮地に陥っている。このままでは、世界で生き残ることはできないかしれない。」という厳しい危機感を抱いた。そこで、曲がりなりにも4年間「人事」を学んできた成果として、どうしたら日本企業が「人事改革」によって世界で生き残る企業になることができるかを書きたいと純粋に思ったのである。 |
講評 | 卒業論文は一人一人の言葉の正しい意味での自己紹介だと思う。「わたしはこういう人間です」「これ以上でもこれ以下でもありません、私という人間は」ということをどうしても表現することになってしまうのが言葉の本性だからである。言葉遣いの現在の到達点、それが各人の卒業論文である。 印象に残る良き作品について若干の言及をしたい。「先生と私」は卒論テーマが定まらずに困った末に、ゼミの先生の研究をきちんと理解しようとした、素直で学生らしいよい卒論である。それも研究方法、研究態度を追いかけているのが優れている。私が何故、政策的指南を行わないのかをよく理解しようとし、その上で、にもかかわらず、私の研究は「生き方を指南している」という結論は鋭い。「教員組合のあるべき姿」は、わからないことを当事者にあたって調べるという産業関係論の実証的精神をよく体現した力作である。その心構えがよい。「感情と経験を言葉にする」は、西部氏の『人間論』をしっかり自分なりに読み込む努力が、通常の学生にない真摯さに貫かれていて私のような年配者に「もっと議論してください」と訴えているようで、誠に好感のもてる作品である。「グローバル社会で生き抜くための人材戦略」は私が唱える日本の伝統的人的資源管理の美点への「惑溺」的欠陥を若い世代の視点から覆そうとする、切迫感がすばらしい。心のこもった作品である。 また、最も嬉しかった作品は「日本の人事・賃金制度の歴史」である。何事にも無関心で無気力な同君が「私はこんなに変わりました」ということを喜びに満ちて表現しているからだ。教育をしていてめったに出会えなかった喜びだ。私が励ましを得た貴重な作品である。 偽りのない自分の到達点としての卒業論文を直視して、そこから自らの研鑽を積み上げていって欲しい。 |
キーワード1 | サムスン |
キーワード2 | 地域専門家 |
キーワード3 | グローバル化 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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