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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 山田 礼子 |
タイトル | 「教師像に関する一考察」―現在の教師を取り巻く環境と教員制度改革の歴史― |
内容 | 教育に関する論議で、教師論を含まないものは稀であり、教師に関する議論はその歴史変遷をみても常に教育改革における最重要事項とされてきた。本稿では、教師への社会的不信が拡大する一方で、複雑化・多様化する教育課題、学校現場の病理現象の背後において、教師という仕事が「困難」に直面している実態を明らかにしていく。それを踏まえて教員制度改革の変遷を論じる中で、教師に関する問題を解決する為には、教師の「個人」的能力の欠如のみに焦点を当てるのではなく、現在の教育組織、制度、システムのあり方自体を見直すことが必要であることがみえてきた。そして、教師という仕事の困難さと、世論とのギャップ、その背景にあるマスコミの問題等、教師を取り巻く問題を解決するためには、制度・政策上の問題を解決することはもちろんのこと、それ以外に「社会における教員・教師の役割と立場の再考」が重要となってくるという論で結んでいる。 |
講評 | 2010年度の卒業論文の提出も無事に終了した。本年度は山田ゼミに所属している学生は、一人も来年度に積み残ることなく、全員が卒業論文を書き上げたことをうれしく思っている。私のゼミでは、3年次に「学生政策フォーラム」という大きな学生のための学会に向けての、論文執筆と発表に準備を7か月近くかけておこなう。そのプロセスを通じて、グループではあるが論文の書き方については、かなり時間をかけて訓練がなされる。したがって、4年次になってから、卒論のテーマを見つけ、文献を読み、データを集めるという時間的制約があるにせよ、3年次の経験が4年次の論文に反映される。今年は、3年次で行った「学生政策フォーラム」への論文のテーマをベースに卒論を執筆した者が3名いた。問題意識をさらに明確にして、それぞれの研究につなげていったことを評価したい。他の3名のテーマについても、それぞれの問題意識に基づきながら、文献を中心に研究を進めたり、山田ゼミの特徴でもある、直接データを収集し、それをまとめていくということを行っているなど、ゼミの学びを反映していることは評価できる。 しかし、一方で、自立的に研究を進めていく姿勢が揺らいでいることが気になる。4年生といえば、社会人の一歩手前の存在でもある。同志社の建学の理念でもある、「自治・自立」の意味を考えながら、卒論に向き合ってほしかった。この姿勢が欠けていたことが残念である。 |
キーワード1 | 教師 |
キーワード2 | 不適格教員 |
キーワード3 | 教師批判 |
キーワード4 | 教員制度改革 |
キーワード5 | 教師の困難さ |
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