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学科 社会学科
年度 2008
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル ピアノに対する階級イメージの形成と変容
内容  本論文の目的は、現代の日本において、ピアノは裕福な家庭のもつ楽器であるというイメージがあるかどうかを調査することである。本論文では、ピアノに対する、裕福な家庭がもつ楽器というイメージを、裕福家庭型楽器観と名づけている。明治期や昭和初期は、ピアノは高級品であり、ピアノの裕福家庭型楽器観は明確に存在していた。
現代(本論文では1989年から2004年と定義している)において、ピアノの裕福家庭型楽器観があるかどうかを調べるための方法として、ピアノ普及率に関する統計データ、漫画、新聞を用いている。そして、統計データからは、年収1200万円の家庭の50%以上が、生活必需品ではないピアノを所有していることがわかった。現代を反映した漫画には、裕福な家庭の登場人物がピアノを持ち、また、演奏する場面がみられた。また、現代においても、ピアノが豊かさの指標であり、裕福な家庭が増えたことが、ピアノ普及の上昇につながったと述べられた新聞記事がみつかった。
これらのことから、現代にも、ピアノは裕福な家庭がもつ楽器であるというイメージ、つまり、ピアノの裕福家庭型楽器観が存在することが明らかとなった。
講評  ピアノは裕福な家庭のシンボルとなってきたことが、明治期に形成され、2割以上の普及率となった現在でもそれが持続していることを明らかにした点で、結論的には面白い内容である。あまりオリジナルなデータがなく、若干、議論が混乱しているようにみえる部分があるのは残念だが、全体の論旨は一貫している。
キーワード1 ピアノに対する階級イメージ
キーワード2 歴史的変遷
キーワード3 裕福家庭型楽器観
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