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学科 教育文化学科
年度 2010
ゼミ名 井上 智義
タイトル 画像を用いた英単語学習への促進効果について
内容 本研究では、画像を用いた英語学習への促進効果について検討する。写真とイラストを用い、これら2つの視覚刺激がどのように読み手の言語符号化を促すのかということと、2つの刺激のうち、写真は画像の意味明瞭度が高いと考えられ、イラストと比べ比較的言語符号化への促進効果は高いということを明らかにすることを目的とする。画像による促進効果を明らかにするため、周知の英単語ではなく比較的馴染みのない単語、またそれに関する写真とイラストを12題提示した。学習効果が現われるか検討するため、日本語訳のテストを画像提示前後の2回に分けて行った。短期記憶を求める実験であるので、2回目のテストを行う前に簡単な数字のリスニングテストを行い、記憶を意図的に阻害した。その結果、英訳テストの正答率は上昇し、画像による記憶への促進効果の傾向は見られた。しかし、写真とイラストでの促進効果の違いは明確な差が見られなかった。これらのことから、写真とイラストの促進効果の差が明確にならなかったことは、写真とイラストの持つ意味明瞭度が低いと考えられ、記憶を妨害した可能性が指摘できる。また画像の質や提示時間など実験に関する問題も関係してくると考える。以上の結果から画像の種類による促進効果はあまり見られないことが示された。
講評 私のゼミの今年度の卒業論文は、20,000字のものが1編、10,000字のものが9編が提出されました。
 前者は九色の色の名前(漢字)と、色パッド(色紙)を実験参加者に提示して、その印象の違いを、心理学的な手法で検討するというものでした。言語連想法と意味微分法(SD法)の両者を活用して興味深い結果が示されています。100名の参加者についての丁寧な分析になっているので、学術的にも大きな意味があるものと考えています。
 また、後者の多くの論文は、三年次のゼミから研究したものを、今年度になってからも引き続き研究を深め、各人がそれぞれの視点からまとめたものになっています。異文化理解に関わるものや、外国語学習に関わるもの、特別支援教育に関わるもの、その他、コミュニケーションに関わるものなど、さまざまなテーマのものがありました。それぞれの努力を評価したいと思っています。
キーワード1 英単語
キーワード2 画像(写真とイラスト)
キーワード3 二重符号化説
キーワード4 短期記憶
キーワード5  
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