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学科 社会学科
年度 2008
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル <摂食障害の構築>をめぐる一考察――アメリカにおけるPro-ana運動の分析を通して――
内容  本論の目的は、構築主義的アプローチの批判的な検討を通して、摂食障害をライフスタイルとして捉えようとするPro-ana(プロアナ)運動についての具体的な分析、考察をおこなうことである。Pro-ana運動とは、2000年代以降のアメリカで、若い女性を中心にウェブ上で広がりをみせている社会的な現象である。“Pro-ana”は「Pro-anorexia」(拒食症にpro=賛同して)の略称であり、摂食障害を「病」ではなく「オルタナティブなライフスタイル」であると主張する。
この運動は構築主義的視点から分析されてきたが、そのアプローチには限界もある。<摂食障害の構築>を論じることは可能だが、そのことによって直接、具体的な個人が<摂食障害から自由になる>ことができるわけではないのだ。これは、構築主義的アプローチの内包するOG問題と類似の構造に起因する困難である。
したがって、<摂食障害の構築>ができるか否かという問題と、当事者である彼女たちの「実体」=「現実」は分けて考える必要があるだろう。
講評  摂食障害を「病」ではなく「ライフスタイル」としてとらえようというPro-ana運動の分析を通じて、構築主義のもつ意義と限界を明らかにしたものと理解できる。中心的な素材がビデオ分析だけになっているのは限界ともいえるが、社会学理論に通じており、ビデオのメッセージを中心とした分析から、社会学の議論にきれいに接合できている点は評価される。
キーワード1 構築主義
キーワード2 構築主義
キーワード3 当事者の実在
キーワード4  
キーワード5  
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