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学科 社会福祉学科
年度 2010
ゼミ名 山田 裕子
タイトル 高齢者と性
内容  高齢社会を迎え、今や日本は人口の5人に1人が高齢者という状況である。それに伴って高齢者のQOLの問題が注目されてきており、彼らを取り巻く環境は随分、改善されてきているといえる。しかしその中にあっても、高齢者の性の問題においてはいまだに敬遠されがちな傾向にある。高齢者が異性と仲良くしていたり、恋愛・結婚をしたりすると、「いい年をして……」と思う人が多いのではないだろうか。このように高齢者に性は必要ないと考えられがちなのはなぜなのだろうか。
 本論文ではまず、性の本質・偏見・歴史的背景について考察している。我々が持つ性に対してのイメージは長年の伝統的な考え方が大きく影響していた。次に、高齢者と性の必要性を論じ、具体的にどのような状況や問題が存在するかを述べた。そこには高齢者ならではの身体的な問題や社会的な問題まであることが分かった。そして、最後に性について再び考察し、改めて高齢者にも性は必要であることを論じてみた。高齢者にとっても性を追求することは非常に大きな意味があるのだ。
講評 筆者は敬愛するお祖父さんの生き生きとした生活の謎を解くものとして、高齢者の性を取り上げた。過去20年来、高齢者の性は文芸的な取り上げ方は常にされているが社会科学的に正面切ってはほとんど取り組まれなかったので、性ということばの定義自体あいまいで、先行文献も10年以上前のものが中心という苦戦を強いられた。確かに取り組みにくく、インタビューやアンケートなどを実行しにくいトピックかもしれないが、定義をどのように決めるかにも因ると思われる。筆者は文献渉猟の途上で、コミュニケーションの重要性が強調されていることに言及し、性を他者に向かう力動のように解釈することを結論として導いており、改めて、その時点でリサーチクエスチョンが明らかになってきた。取り組みにくい題材を勇気を持って取り組んだことで、今後の課題を明らかにできた。
キーワード1
キーワード2 高齢者
キーワード3 QOL
キーワード4  
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