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学科 社会学科
年度 2008
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 日本社会のトルコ人――在日トルコ人Aさんの暮らし
内容 トルコは世俗国家である。イスラム系の国にいながら宗教の影響をあまり受けていないと言われるトルコ人とはどのような人々なのか。彼らの中には完全にイスラム教の影響はなくなってしまっているのか。日本でイスラム教徒の自覚などは出てこないのか。一人のトルコ人男性を対象に事例研究を行なった。
 本論文では、トルコ人の生活や考え方について、個人のライフ・ヒストリーと、日本での生活空間に関する、エスノグラフィーを組み合わせて調査した。対象として、神戸モスクの近くでトルコ料理屋を経営するAさんにインタビューを行なった。
 わかったことは、まず、世俗国家としての「トルコ」への愛着は感じているが、必ずしもイスラム性に対しては自覚的でなく、そうかといって、イスラム教徒たちへの配慮を行なうなど、ネットワークの中でのイスラム性も垣間見えるため、単に世俗的であるわけでもないこと。日本におけるマイノリティとして、全国規模であり、他国の人々ともつながりを持つ幅広い交流があること。そして最後に、日本で生活してきたことで、イスラム教徒であるという自覚より、トルコ人であるという自覚が強く芽生えていくことが理解できた。
講評  トルコはムスリム人口の多さにも関わらず世俗国家だという特徴をもち、それが移民したときの様々な動きをもたらしている。では、日本に移民してきたトルコ人はどうなのか、という問いが成立するが、そもそも数的に少ないので個別事例の蓄積が不可欠である。そこをおこなった点に意義がある。まだまだ分厚く書けそうだとは思うが、まずは一つの事例の蓄積にはなった。
キーワード1 イスラム性の見えるトルコ人のネットワーク
キーワード2 トルコへの愛着
キーワード3 トルコ人の生活空間
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